第166話 シエロ

 社内講習参加者で指名を書く機会があった。

 隣から回ってきた名簿を見ると…

『シエロ』

 外人?何人?

 いたっけ?

 もしくはハーフか?

 外国籍を取得したのか?

 誰やねん‼

 私も入社9か月目…他部署との接点は薄いが、まぁ顔まで知らないという大企業でもないなかで、『シエロ』と思しき人物はいない。

 隣の上司に聞いてみようかとも思ったが…そのタイミングもなく講習が始まった。

「シエロどちらさん?」

 そのことばかり考えていた90分。


 講習を終え自席に戻り…考える…

 思い出せる限りの名前を思い出す…

「あっ‼」

『シエロ』じゃねぇ…『江口』だ…。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る