第157話 キミはそれで就職を?

ホテル清掃のバイトを初めて6ヶ月が過ぎた。

高校生は進学、就職と一段落した時期でもある。


「就職決まったんですよ」

高校生の女の子が嬉しそうに話す。

「そう、よかったね」

「○○なんです」

某有名なお菓子メーカーのライン作業をするようだ。

「何作ってる工場?」

「おかきにチーズとアーモンド乗せるお菓子がありました」

「あ~昨日、食べたよ、俺、あのお菓子好きだよ、昨日はアーモンドが2個乗ってた…不良品作って怒られるなよ、ラインも楽じゃないからね」

「大丈夫ですよ、音楽聴きながらアーモンド乗せますよ」

「うん…音楽聴きながらとか、無いだろ…」

「ウフフ…お菓子食べれますかね?」

「もっと無いだろ…食いながら作業するラインとか無いだろ」

「なんか、カメラ付いてたんですよね、見学したライン」

「お菓子食いながら仕事しないか?を見るためじゃないよ…たぶん」

「作業服の背中に大きく名前が書いてあるんですよ」

「囚人かな?」

「お菓子食べた人が、すぐ解るようにじゃないですかね?」

「うん…あの、お菓子盗み食いするような奴はいない前提だと思うよ」

「桜雪さん、あの、お菓子好きなら、ラインで働きませんか?」

「ん? 今の会社、クビにならないよう努力するよ」

「ウフフ…待ってます」


彼女が、ちゃんと働いて行けるか…不安である。

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