BEYOND THE TIME

第152話 エビ嫌いだよね

「マックのさ～メロンシェイク美味しそう、飲みた～い」

　そんなわけで彼女を迎えに行く途中で買ってみた。

　時間を合わせてだ。

　ぬるくなっていると不機嫌になるからだ。

「あのさぁ～マックのチェリーブロッサム美味しいんだって飲みたい」

　まさかのマック2回目である。

　フードコートのマックは混んでいる…なぜそんなにハンバーガーが食べたいのだろう…。

　家族でハンバーガーとか食べたいのかな？

　そもそもフードコートで食べたいのかな？

　そんなことを考えていたらイライラしてきた。

「お～い…お～い」

　彼女が並んでいる僕を呼ぶ。

　僕が渡した千円でスタバのドリンクを2個買ってきたのだ。

「まだ並んでるの？うどん、アタシ買ってくる」

　僕は黙って財布を彼女に預けた。

(なぜ…ドリンクがそんなに充実しているのだろう…1食で3種類のドリンクって必要なんだろうか？僕は水でいいんだけど…なぜ飲みたくもないドリンクに僕はお金を払っているんだろう…ドリンクで1250円？食事より高くないか？)

　結局、うどんとカレーのセットを買ったらしい。

「いくらだった？」

「ん…750円くらいだった」

(ほらドリンク代のほうが高い…)

「パスタあっためてもってきた」

　桜エビと、ちりめんじゃこのパスタ。

(エビ？嫌いなのに買うんだろう…)

「カレー不味いね」

「うどんもマズイね…」

「パスタ…エビ嫌いじゃなかったっけ？」

「食べてみたかった～」

(それだけで金無駄にしたって思わないのだろうか…それは自腹なのに…)

　2人で2000円ほどだから、まぁ高いとは思わない。

　彼女も僕の財布を気遣ってフードコートを選んでいるのだろうと思う。

　僕の持論だが、フードコートに美味い物などない。

　でも…なぜマズイと解っているものを買いにいくのだろう？

　1人1000円だったら…別の食事もできると思うのだが…彼女と逢うときは店に送るときだけなので時間が限られてしまう。

　逢うたびに、金を捨てている気になるのだ…。

　この日は、父親が入院して、また金が…と頭が痛かったこともあり、テンションは低めだ。

　今日、解ったのだが…我が家の電気代は55000円/月だった…。

　なぜ、そんなに使っているんだ…。

　もろもろ解ったのだが、店で使っている電気機器のリース料68000円/月…。

　両親が1日中家に居る、風呂も2個あるトイレも2個ある…よそ様のお宅より電気量が高いのは解る。

　でも55000円？

　僕の周りは金が掛かる人が多い…。

　破産だよ…破産…。