第135話 冷奴の価値?
久しぶりに『彼女』さんと食事に出かけた。
「何を頼んだの?」
「忘れた」
「何時に予約したの?」
「忘れた…なんか予約した時点で、満足するんだよ」
(そのままキャンセルしても案外大丈夫なんじゃないだろうか…)
基本、寿司屋だけあって、魚が美味しい。
正直、かっぱ巻きを美味しいなと思ったのは初めてのような気がした。
「フグのから揚げ美味しいね」
珍しく一口食べた彼女、確かに美味しい。
「あの~すいません、冷奴を温めてもらえますか?」
(冷奴を温める? また変な事言い出したぞ…)
「レンジでチンでいいんで」
「……ちょっと確認してきます」
「冷奴、温めるの?」
「うん…あったかいのがいい」
「湯豆腐じゃダメなの?」
「時間掛かりそうだし…メニューにない」
「そう…」
とりあえず冷奴をチンした豆腐は無事に運ばれ
「美味しい」
彼女は満足なようで、おかわりしていた。
ノドグロの塩焼き、カニの握り、それなりのお値段のお店だけあって美味しい。
(パックの寿司とはレベルが違う…)
一通り食べ終えてメニューを眺める彼女
「あのさ、このカワブタってさ…」
「フグね、河豚と書いてフグ」
「あっ…フグなんだ…河豚で…また(小説に)書かれそう…」
(河豚より…冷奴のチンのほうが僕的には…)
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