言葉

 私達は何も悪い事はしていないのに運が悪いとこぼしている方を調べてみますと、大概言葉が悪いようです。


 私達の運命の原理は因縁果の法則によるものであり、その因である種の構成が言葉と行いと心の3つでなされている事は周知の通りです。

 卵で言いますと、白身は言葉であり、黄身は行いであり、1点は心であり、生命です。


 ところで、誰しも自分のした行いのみ反省して、その出した言葉を反省してみようとは思いません。

 私達は日々手足を使うよりもむしろ言葉を使っている事の方が多いのです。


 言葉は予言也と言います。「あれはあかん奴や」と言えばあかん者になるのです。

 実に言葉は予言です。「切り言葉捨て台詞冗談にも言ってくれるな、言ったら言った通りになるで」と言う言葉もあります。


 例えば、「もうやめた。」と言うのが切り口上で「勝手にせい。」が捨て台詞です。この言葉が出るようになったらどんなに栄えた事業も衰微致します。

 親の不足を言っている者は神様の御守護に切られ、夫や妻の悪口や不足を言っていると夫婦の縁に切れていき、金の不足を言っていると金の縁に切れていきます。


 古語に「己より出ずるものは己にかえる」と、ありますが、よく自分の出した言葉で自分を十字架に掛け、自分の言葉で釘付けにして、自分自ら滅んでいく人がいます。

 陰の離間語と言って、人と人との親しい仲を喧嘩させて引き裂く言葉を出している者は、後家と申しまして夫婦の縁がうまくいきません。嘘付きは泥棒の始まりです。


 次に言葉は引き寄せる神通力を持っています。それは同じ言葉を3回唱えると、それは呪文となるからです。


 ニャンニャンと言えば猫が寄ってくる。ワンワンと言えば犬が寄ってくる。泣き言小言愚痴の多い家には差し押さえがくる。結構結構と常に喜びの言葉を出している家には結構が飛んでくる。


 大切な事は結構になってから結構と言うのではありません。一番困っている時こそ結構と唱えるのです。そうすると、一番苦しい事が結構の種となって一番結構な花が咲くのです。


 良い言葉を出す、これが栄える人の言葉なのです。

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