第11話

 食事の準備が全て終わると、主役たちが登場する。王様のニョルニョル、お妃候補の二人の双子、ロッサとマッサ。ニョルニョルはいつもより少し派手な恰好をしていた。ロッサとマッサは双子というアイデンティーを意識してか、色違いの同じデザインのドレスを着ている。ロッサは青で、マッサは赤。どちらも身体のラインがくっきりと浮き出ており、つまりセクシーなドレスだった。

「それじゃ乾杯をしようか」

 装飾ばかりでやたらと重そうなグラスをニョルニョルは掲げる。あたしは牛乳の入ったグラスを目線の高さまで持ち上げた。

 ロッサとマッサは双子らしく、全く同じタイミングで、それぞれお気に入りのアルコールが入ったグラスを持ち上げた。

「乾杯」

 それぞれ隣同士でグラスを鳴らした。あたしの隣にいるのは、ニョルニョルで、対面にはロッサとマッサが座っている。

 ポポコさんはニョルニョルの後ろに立って、何にでも対応出来るようにと澄まし顔だった。

 あたしはそれぞれ一度、ポポコさんの顔を見る。ポポコさんは視線で、よろしく頼みますよ、と応えてくれた。

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