続・ピン芸人ですが、パチンコ店員やっています。

原田おさむ

第1話産まれて初めての出版

2017年2月2日、僕の本の発売日である。

産まれて初めて出版できた本である。

カクヨムに投稿した、「パチンコ店員芸人奮闘記」が、エッセイ実話実用コンテスト受賞作に選ばれ、賞を頂いたのだ。

そこから、加筆修正し、校閲を受け、いよいよ本屋に僕の本が並ぶのだ。


チャリンコをこぎ、発売日に家の近所の大きな本屋に走る。そこに僕の本が入荷されると、すでに前もって調べていたのだ。

本屋に着く。タレント本コーナーに並べられていた。

隣にはなんと、萩本欽一さんの本、さらに反対の隣には西田敏行さんの本が並べられていた。

「うぉーーっ!!」

興奮で叫びそうになる。

飛び上がりそうになる。

思わず店員さんを捕まえる。

「この本、僕の本なんですよ!これ、書いたの僕なんですよ!」

「・・・そうなんですね。」

「サイン書きますんで、本の隣にでも置かせて下さい!色紙も持ってきてますんで。」

「・・・はい、かまいませんけど。」


こうして持参してきた色紙にサインをする。

僕の本、どれだけ売れるんだろうか?

この頃は期待と溢れんばかりの希望で満ち溢れていた。

チャリンコに再び飛び乗り、次の書店へと走る。


今は、本を売るのも、買ってもらうのも大変な時代。

みんなパソコンやスマホばかりで、本を買って読まない。中古本市場も赤字だという。

そんな時代に出版、そんなタイミングに本を出すという機会を頂いた。

頑張って本を売ろう!買って頂こう!


僕はチャリンコに乗り、夕日をバックに次の本屋へ向かう。


この、続・ピン芸人ですが、パチンコ店員やっていますは、過去の僕のパチンコ店員の経験をもう一度振り返りながら、

さらに出版を経験した僕のリアルなエピソードを盛り込んで描いていきます。


本を出版できた事、それは僕の地獄の二丁目だったのかもしれません・・・




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