8/19 カツカレー

カツカレー。

それはトンカツをカレーに乗せた料理であり、これを嫌う人間は殆ど存在しないと言われている料理である。

それは単純な組み合わせながらも完成された料理であり、巷では


『カレーのトッピングと言えばトンカツ以外にありえない』


という話しを聞く程、カツカレーは人類に人気がある。


それも仕方の無い事だろう。

カツとカレーだぞ?

カレーにカツだぞ?

カレーだけでも美味いのに、そこに美味いカツを乗せるのだ。

もっと美味くなるに決まっている。

私も実際に食べてみたが、本当に美味かった。

これがカツとカレーを合わせたカツカレーの力なのだなと感動した。


そして、私はこのカツカレーの様に美味さが相乗されてより美味くなる現象に、という名前を付けた。

完成された料理と完成された料理の二つを合わせ、美味さの相乗効果を狙う理論だ。


私が発見したカツカレー理論はいくつかある。

海老チリと炒飯を合わせた海老チリ炒飯

ハンバーグとピザを合わせたハンバーグピザ

ローストビーフ丼とロコモコを合わせたロスモコ丼

どれも単品でも美味いが、合わせるとより美味くなる組み合わせだ。


しかし、このカツカレー理論は単純そうに見えて奥が深い。

例えば、オムライスの中身をチキンライスではなく炒飯にしたとしよう。

炒飯を食べながらオムライスの玉子部分も食べられるので美味しい事は間違いないはずだ。オムライスの新しい可能性を開く料理になるだろう。

だが、これはカツカレー理論に当てはまらない。

オムライスは中身を変えてもオムライスのままであり、これは中身が炒飯な変わり種のオムライスなだけである。

完成された料理に完成された料理を組み合わせていないのだ。


オムライスを例にしてカツカレー理論を当て嵌めるのならば、オムライスを完成させた後に周りにビーフシチューを注ぐというのが正解だろう。

一つの料理として完成させてしまうのではなく、このように料理を組み合わせるのが重要だ。


このカツカレー理論は考案してから日が浅く、まだ世の中に発表するほど吟味がされていない。

しかし、一刻も早く世の人間達に美味い料理をより美味くする方法として伝えたい。

そして、様々なカツカレー理論を適応させた料理を産み出して欲しい。

まだまだ時間がかかるかもしれないが、まだ見ぬ新しい料理の為に頑張りたい。

これを読んでくれている貴公も、自分なりのカツカレー理論を見つけ、それを広めてみて欲しい。

願わくば、世界中の人間にカツカレー理論を活用して貰い、世界中の人間に喜んで貰いたい物だ。

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