6/21 餃子

有り余るキャベツを消費するため、餃子を作る事にした。


餃子とは小麦粉で作った皮で細かく刻んだ肉や野菜を包んで茹でた食べ物で、うどんや餅に位置する主食である。

しかし、この国では餃子は焼いて食べるのが一般的であり、主食ではなく主菜として扱われている。

簡単に言えば、餃子はおかずとして扱われているという事だ。


この国の人間は『餃子はおかず』というのは一般的な価値観なのだろうが、それはピザをおかずにご飯を食べているようなものであり、他国の人間からするととても違和感を覚える光景である。

と思ったが、ピザをおかずにご飯を食べるのはそんなにおかしくない気がしてきた。お好み焼きや味噌煮込みうどんでご飯食べるしな。


まあ、本来ならば餃子はおかずではなく、そのまま単独で食べる物と思って貰えばよい。

この違和感はこの国に住んでいる者には説明がしにくいのだ。


また、餃子はその日に入手できた食材を使って作る物で、小麦粉の皮で包む以外のルールは存在しない。

鍋料理と同じ概念を持っていると言っていいだろう。


そのため、お金をかければかけただけ旨味の溢れる美味い餃子を作る事が出来るのだが、今回は基本の材料と作り方で行おうと思う。他の材料を増やすと使用するキャベツの量が減ってしまうからな。


使用するのはキャベツ、ニラ、椎茸、豚ミンチ、これだけだ。

要は『葉物野菜+香草+肉汁を保持する物+肉』という組み合わせをすれば問題なく餃子が作れる。

これを葉物野菜2:香草1:肉汁を保持する物1:肉2になるように用意する。

キャベツの代わりに白菜でもいいし、ニラが苦手なら大葉でもいい。椎茸の代わりにフカヒレでもいいな。

応用で大蒜を追加で入れるならニラをその分減らしたり、椎茸と水切りした豆腐を半々にしても良い。


そして重要なポイントが三つある。

葉物野菜は微塵切りにしてから塩で揉んで水分を出す事と、ごま油を使うのを躊躇しない事と、タネは良く混ぜる事だ。


葉物野菜は保持している水分がとても多いため、こうして水分を抜くことで出来上がった時に味が水分でぼやけるのを防ぐことが出来る。

ごま油はタネの味付けに使うのだが、ここでごま油をしっかりと入れることで旨味が増してタネの混ざり具合も良くなる。

そして最後は良く混ぜる事。手にみじん切りした食材が付かず、白い脂でコーティングされるようになるまで混ぜるのが重要だ。こうすると肉汁が野菜に吸われて旨味が逃げなくなる。


この三つのポイントを守れば美味い餃子を作る事が出来るだろう。

全ての材料を微塵切りにして餃子の皮で包むだけの簡単な調理法だからこそ、こういう細かい部分に手を加えることが大事なのだ。


さて、それでは豚ミンチとニラと椎茸を買いに行かなくては。

キャベツを1玉分使おうと思うと、ミンチは2kg程あったほうがいいだろうな。

皮も勿論手作りするぞ。

私はもちもちした蒸し餃子が好きなのだが、市販の皮は焼き餃子用でもちもちしないので好みでは無いのだ。


大よその計算だと餃子のタネは6kg程度になり、皮用の小麦粉も4kgは必要になる。


さあ、今晩は忙しくなぞ。

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