6/20 カレーキャベツドッグ
朝にまたお好み焼きを食べていて思った。
キャベツに飽きた。
まずいわけではない。
さっぱりとしていてほのかに甘く、熱を通しても残る繊維質の歯ごたえ。
よく水で冷やすとバリバリと小気味良い音を立てるようになり、簡単なタレをかけるだけで居酒屋や焼肉屋の一品として数えられる。
キャベツは生で食べる野菜の中でも断トツの人気を誇るだろう。
だが、流石にこうもキャベツばかり食べていると飽きが来る。ついさっき来た。
なのに、まだキャベツは3玉もある。
家庭菜園産の癖に無駄に大きいので、実質4玉分を超える。
「拷問かこれは」
思わず口から漏れた。
母親という存在はどの世界でもこうだ。
子に対して善意で動くが、屡々その善意が行き過ぎる。
愛情が無いよりは良いのだろうが、愛情がありすぎるもの考え物だ。正しく、過ぎたるは猶及ばざるが如し。
しかし、そうは言っても母親の援助で助かっている部分があるのも事実であり、迷惑だとは言い難い。
親子と言うのは中々に難しい物だ。
と、ごちっていても仕方が無いな。
このキャベツを殲滅させる方法を考えなくては。お好み焼きは暫く食べたくない。
そういえば、お好み焼きの本場の大阪ではザワークラフトの代わりにカレーで炒めたキャベツを使ったホットドッグがあると聞いた事がある。
作り方は知らないが、キャベツをカレー粉で炒めればいいのだろう。
やってみるか。
キャベツを千切りにし、ボールに入れて水にさらす。生で食べるのならシャキシャキ感が出るように暫く水に漬けておくのだが、今回は炒めるのでさっと掬う。
フライパンに油を引き、水気を切ったキャベツを入れて中火で炒める。
キャベツがしんなりとしてきたら塩胡椒をし、味見をしながら少量ずつカレー粉をふるう。
なんとなく物足りないので粗挽き胡椒とマーマレードを少しだけ入れ、強火にして少し焦げの匂いを付ける。
後は焼いたウインナーと一緒にパンに挟み、ケチャップとハニーマスタードをたっぷりとかける。
中々いいじゃないか。
カレーの辛さとキャベツの甘さがウインナーとよく合う。
なんとなくナンでカレーを食べている気分になるな。
そうか。千切りにしてからカレーのような濃い味付けにすればキャベツらしさが減るのだな。
光明が見えたかもしれない。
やるじゃないか大阪。天下の台所と呼ばれていただけはある。
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