相手の事を想い、慈しみ、愛する事。これってとても尊い物だと思います。
そして、それが片想いではなく、両想いなのだとすれば、それはとても幸福に満ちた物である筈です。
その筈なんですけれど……。
過去の悲しみに捕らわれた、偽りと知りつつも、幻影に愛を囁く主人公。
気高さの中に純心さを隠し、傷つきながらも相手を愛し、恋をするヒロイン。
二人の愛はとても美しく、見ていて幸せな気持ちを呼び起こす一方で、お互いが秘める暗い気持ち。
それらが私の読者心に、小さな悲しみを与えます。
短い文章で綴られた短編小説。
でも、人の心をゆり動かすには十分な物語。
貴方も是非、この物語で、心を揺さぶられてみて下さい。