第1649話「私の隣の私によく似た」
午後一時の大学。
量産型女子大生型ロボットが現れた。
量産型女子大生は一般女子高生(一般人が想定する兵器を持たない女子高生の成れの果てを指す言葉。最終的に社会の歯車となる)よりもずっと攻撃性が低いため、当初、量産型女子大生型ロボットが構内に侵入していると聞いたときも即座に攻撃することはなく、見学に向かい、確かに耳のあたりに機械が見えているなどと周囲の量産型女子大生と雑談していた。ふとスマホを見ると、通知が入っている。別の場所でも量産型女子大生型ロボットを見かけたという内容だった。数秒後には、また別の女子大生から。ロボットを見かけた。また別の場所で。通知が増えていく。どれだけいるのだ、と笑って目線を戻せば一人だったはずのロボットは四人に増え、こちらへ向かってきている。さすがにちょっと不気味さを感じ、横にいる女子大生に話しかける。ねえ、なんかヤバいよ。肩に触れる。おかしな感触。冷たくて硬い。生きた身体の温度じゃない。機械の部品。何もおかしいことなんかないよ。どこか感情の欠けた声。女子大生はようやく悟った、今、この大学は、何かしらの攻撃を受けている。
だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、量産型女子大生型ロボットを抹消した。
悪の組織は大学から訴えられ、罰則金を支払った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます