第1648話「ねむれよい子よ」

午後零時の神代高校。

親羊が現れた。

親羊の肉は子羊(一般人が想定する子供の羊を指す言葉。体質的にスパイスが苦手だが、食品加工場でスパイス塗れにされている)よりもずっと硬いので、食用としては本来適さないが、華の女子高生にとって親羊と子羊の差などあってないようなものである。親羊の出現を感知した女子高生たちがさっそく親羊へ接近、その身体へ躊躇なく嚙り付いた。すると女子高生たちは動きを止め、小刻みに震え始めると、その場で倒れ寝息を立て始めた。そう、親羊は子をスパイスまみれにされた憎悪のあまり、自らの血肉を毒と変えたのだ。毒は一般人を生涯眠らせ続けるほどの効力があり、その力を見込んだ悪の組織が毒を改良、神代高校へ投入したのである。噛みつかれるたびに血を振りまき、女子高生を眠らせ続ける。悪の組織は親羊を第一級危険生物として認定した。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で昼休み明けに鳴る予定のチャイムを早めに鳴らした。

眠っていた女子高生が一斉に起き出し、悪の組織は一級と特級の差を思い知らされた。

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