第1646話「良い悪魔、悪い神」

午後二時の神社。

悪魔が現れた。

悪魔は神(一般人が想定する宗教的信仰の対象を指す言葉。世に禍福を降す存在、すなわちレールガン女子高生)よりもずっとあくどいことをしてきたつもりだったが、一般人から見れば、神よりは遥かに温情のある行いだったため、住人から信仰され社が建つまでになっていた。このままでは悪魔としての沽券にかかわる、と危機感を抱いた悪魔は思い切った悪法の制定に踏み切った。月一で若い女を生贄に差し出すことを村の掟とする案を提出したのである。生贄案は村の議会にて反対多数をもって否決され、村長が参拝ついでに悪魔にその旨を伝えた。悪魔は議会承認を得られなかったのなら仕方ないかあと生贄を諦めた。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で神だけは議会承認ステップを無視して直接掟を定めてもいいよう村人の常識を書き換えた。

悪魔はみんなからの同意を得た方がいいよと反論し、悪法の制定は為されなかった。

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