第1301話「助けてほしい男」

午前一時のSNS。

助けを求める声が現れた。

男は社畜(一般人が想定する社員として勤めている会社に飼い慣らされて家畜と化した人間を指す言葉。日本人に多い)よりもずっと健やかな業務時間と作業内容の中で働けていたのだが、根本的に労働は人間にとって害悪なので日々体力を削られている現実は社畜と彼とで何も変わらない。助けてくれ、と一言一句違わずに連日呟く様は哀れな豚を思わせた。助けてくれ。声が誰にも届かないことを理解しながら、それでも叫ばざるを得ない毎日。願いを叶えてくれそうな存在はしばらく休業中だった。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生が復活して、とにかくすごい攻撃で助けを求める声をかき消した。

助けてほしい男は確認されなくなった。

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