第1242話「今まで読んでいたタキモルSSは」

午前零時の上空。

光り輝くトレーナーが現れた。

アグネスタキオンはモルモット君(アグネスタキオンが想定するトレーナーを指す言葉。実験動物の代名詞としてそう呼んでいるが、シナリオ中ではいつでも手元に置いておく必要のある者という意が強くほとんど愛称と化している)よりもずっと走力その他身体能力が高いのだが、その差をある程度詰めることができる薬品を作ってモルモット君に投与した。ジャンプしてみろと言われて思い切り飛び上がったトレーナーは人間の限界を超越した跳躍力を発揮し、華麗に着地した。アグネスタキオンは降りてきたモルモット君に自分をお姫様抱っこするよう言いつけ、深夜の空中散歩に出掛けた。なお光り輝いているのは副作用とかではなくアグネスタキオンの趣味であり、お姫様抱っこさせている姿がものすごく目立つことになっているのはスキル独占力のおかげである。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃でラーメンをすすっているスペシャルウィークを召喚した。

今まで読んでいた心ときめくアグネスタキオン×トレーナー深夜デート小説は失われた。

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