第1230話「久々の再会に感動してたら間に合わなくて」

午後三時のニューヨーク。

ゴリオルタによって鎮圧されたトウブハイイロリスが現れた。

トウブハイイロリスはホクブハイイロリス(一般人が想定する北部に生息する体毛が灰色のリスを指す言葉。噛み付く力はトウブハイイロリスの三倍にも達する)よりもナンブハイイロリスよりもずっと弱かったので両者から舐められていたが、セイブハイイロリスよりは強かったのでセイブの連中はゴリオルタの咆哮に恐れ戦きハイイロリス同盟を去った。残されたホクブとナンブは各種族の最大戦力をもってゴリオルタの排除に当たるべくトウブの散ったニューヨークを急襲し、不意をつかれたゴリオルタは左眼と左腕を失った。距離感の鈍るオルタにホクブナンブの牙が飛びかかる。

だがいきなり物陰からゴリハルトがやってきて、とにかくすごい筋肉でオルタを庇ったのち彼の左半身を支えた。

俺がお前の半身になる――そんな声が聞こえた気がした。

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