第1231話「メモリを4GBしか積んでいないPCでも仕事ができる異種族と闇の企業」

午後五時の職場。

寿命が四倍くらいある異種族が現れた。

異種族は人間(一般人が想定する一般人を指す言葉。健康寿命は七十年程度)よりもずっと平均寿命も健康寿命も長いので、すべての物事において時間的余裕があった。4GBしかメモリを積んでいないクソPCを会社から支給されてもまったく問題はなく、定時を過ぎても平気な顔で仕事を続ける。当然のように残業代は支払われていない。異種族をこき使う労働体系は劣悪を通り越して地獄、此処はブラック企業の中でも飛びぬけてブラックな深淵の底、ベンタブラック企業である。ベンタブラック企業は数年前から入社条件を人間ではない異種族であることに限定し、人間界との接続を極力断つことによって深淵度の流出を抑えながら闇を濃くする施策を取っていた。政府も人間組織、禁忌領域と化したベンタブラック企業には下手に立ち入ることもできなかった。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃を使わずとも普通に会社見学をさせてもらった。

想像の四倍くらいヤバかったので納得とともにレールガンの力を解き放ち、ベンタブラック企業は消滅した。

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