第1176話「知らない言葉」

午後九時の休日。

仕事が現れた。

出勤簿は休日(社畜が想定できない言葉。社畜の辞書に休日の文字はない)よりもずっと平日の出勤を前提としているためそもそも土日定休であるという表向きの情報を体現したかのように休日出勤欄が存在せず、無給でしかし会社へ足を運んでいる自分は何なのだろうかと思考する。目の前に現れた仕事を慣れた手付きで打倒しつつ、男の思考は止まらない。仕事とは倒すものであっただろうか。自分は何の為に生きているのだろうか。生き別れの妹がしきりにLINEで書く休日という単語は一体どういった意味であろうか。考え抜いた果てに、男は一つの答えを見出した。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で導き出した答えを抹消した。

いつの間にか日付が変わっていたので男は翌日の仕事を開始した。

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