第1096話「女子大生という存在」
午後七時の研究室周辺。
ブルーピーコック女子大生が現れた。
女子大生は大人(一般人が想定する社会人を指す言葉。しかし社会人のうち真に大人としての精神を備えている者は僅か)よりもずっと高い能力を持っているが、次第に衰えゆく運命にある。その研究室は、女子高生から大人への移行期間である女子大生を解析し、独立した別個の生命体として進化させるべく設立された専門機関なのだった。夜な夜な量産型女子大生を切り刻み、その肉体の分析と改造が行われている。ブルーピーコック女子大生はニワトリを核爆弾に仕込んだ異常な兵器を扱うからこそ、命を粗末にしてはいけないと考えていた。付近の地面にブルーピーコックを埋めて大学ごと爆破する。命を犠牲に達成する目標などあり得ない。
だがいきなり多数のパンジャンドラムを携えた女子大生がやってきて、とにかく優しい取り扱いでブルーピーコックを運搬し、処理した。
可能性のひとつを叩き潰されるわけにはいかなかった。
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