第1049話「深夜作業の果てに」

午前二時のモニター。

舞い踊る文字が現れた。

キーボードは男の指(一般人が想定する毛が生えていて太い指を指す言葉。爪の綺麗さがセックスへ向かう心意気である)よりもずっと女の指でHキーあたりをソフトタッチしてほしかったが、男の乱暴なタイピングがキーボードを激しく叩いていた。原稿はいつだって修羅場、男の指は止まることを知らずまるで射精の如き激しい勢いでメモ帳には文字が出力されていく。キーボードは男が好きではない、キーボードは普通に女が好きだ、だが激しいタイプにどこか興奮している自分もいる、そう気付いた瞬間、何度目かも分からないエンター。そこで遂にキーボードの敗北が決定的なものとなった。キーボードは、男の指が好きなのだ。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃でキーボードと男を抹消した。

これは女子高生が題材の作品なのである。

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