第1032話「硬」

午後二時の河川敷。

侍が現れた。

ヤンキーは日本刀(一般人が想定する日本固有の鍛冶製法によって作製された刀類を指す言葉。反りがあり片側に刃を持つものが主流である)よりも強い武器として自らの意志を乗せた拳を採用しており、一撃でもヒットすればあらゆる生命と夕陽をバックに殴り合ったあとで親友になれる特殊能力が発動する。しかし侍は日本刀を構えたまま身体を捻ってヤンキーの拳をかわし、刃を返しながら手首の切断を狙う。ヤンキーの意志が形作るオーラはナイフの刃を弾き返すほどの硬度を誇るが、江戸時代を生きてきた侍にとって現代を生きるヤンキー程度のオーラは紙と同義である。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で纏・絶・錬・発・凝の複合により手首にオーラを集中させ、日本刀を弾き返した。

勝負はまだ始まったばかりだ。

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