第1033話「それはマグロの頭、猫の尾、女子高生の身体を持つ怪異となるもの」
午後一時の鮮魚センター。
マグロ丼を食べる人間たちが現れた。
ウサギはマグロ(一般人が想定する人間に憎悪を抱いている魚類を指す言葉。美味い)よりもずっと可食部が少ない上、味も劣るゆえにウサギを食べる人間はほとんどいない。しかしマグロはそうではない、養殖が進むマグロは上質な油を摂取するのに適当だ。マグロを炊き立てのごはんに乗せて食べる食事を好む人間は非常に多く、マグロ養殖は人間の一大事業となっている。ただしそこには致命的な見逃しがある。網の中で仲間の死を見守るマグロは、人間への憎悪を高め、水中をぐるぐる泳ぎながら魔方陣を描いている。生み出されるはマグロという種の怨念を背負った人間のような何か。いつかの未来、怪異として世に放たれることが確定したバケモノの子である。
だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃でマグロを滅ぼすことはしなかった。
食欲に勝るものはない。
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