第911話「芸術の秋」

午後八時の風呂場。

悶絶している男が現れた。

男は小指(一般人が想定する手足にある一番外側の小さな指を指す言葉。立てることで妻や愛人などを示す場合もある)よりもずっと弱い部分が多かったが、それにしたって角に小指を強打するのはやはり相当に痛いもので、全裸でうずくまって苦痛を表現していた。通りすがりの芸術家が彼の姿に感銘を受け、石像を作成し、世界的に有名なコンクールに出すと素晴らしいと評価され、原作である男は一躍有名人となった。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で石像を半壊させた。

崩れ落ちた半身が苦痛を表していると更なる評価を受けた。

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