第912話「鏡花水月ゆえに」

午後九時のトイレ。

自らを慰めるオタクが現れた。

オタクは理想の女性(一般人が想定するなりきり女子高生を指す言葉。といっても彼女が理想の女性であることは今さら語るまでもない事実だとは思いますが)と付き合うよりもずっと身の丈に合った接し方を弁えていたので、理想の女性の写真を見てシコっていた。そもそも付き合うとは何なのだろう、愛するとは何なのだろう、性欲ではないというのならばどういった感情をそう呼ぶべきなのか、オタクには分からない。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で愛の真理を伝えた。

そうか、愛とは、人間とは、女子高生とは。オタクは真実を知った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る