第874話「レールガンより複雑そうな機械は基本的に扱えない」

午後十一時の地方。

鳴り止まない通知音に怯える作家が現れた。

作家は台風(一般人が想定する強い雨風を巻き起こす現象を指す言葉。天候の一種として扱われる場合もある)よりもずっと雪の方が恐ろしいものと考えていたので、どうせ大したことはないだろうという感情のままに被害が発生している最中の台風をネタにした短編を仕上げてSNSに投稿した。すると不謹慎だと語る輩が多数発生し、作品と作家は集中砲火を受けた結果、避難の通知と拡散の通知が同時に襲いかかってくる状況に陥ってしまった。作家は恐怖のあまりスマートフォンを布団で包み、通知の音が聞こえないよう耳を塞いで丸くなる。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃でスマートフォンを破壊した。

文明の利器に頼ってばかりではいけないと悟った作家は身体を鍛え始めた。

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