第809話「結局火曜早朝に生き返りました(Reset_30)」

日付が変わる瞬間の時間領域の狭間。

社会人が現れた。

男は目の前の光景の異質さ(一般人が想定しえない景色を指す言葉。明るい闇とでも称すべき特異空間)よりもずっと早く記憶の断絶に気付いた。確かに男は週末の社会性飲酒を乗り越え、日付が変わらないうちに自宅まで戻ってソファーに倒れ込んだはずだ。だが男は闇の中に立っており、前方には二つの光が見えている。レールガン女子高生の声が響いた。男は過労が祟って死んだという。片方は生き返りすべてを解決するため努力する道、片方は死んですべてを手放し楽になる道だと彼女は語った。男は悩んだ。正直仕事はしたくない。だが、それよりも、己の作品を完成させて読者でいてくれる者たちに届けたい。ああ、しかし、やはり仕事はしたくない。

だがいきなり長いレールガンを女子高生は取り出して、とにかくすごい攻撃で男が死んだ事実と労働時間の一部を破壊した。

死までの原因となる時間が失われ、また物語は時を繰り返すこととなった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る