第783話「Reset_29」

日付が変わる瞬間が引き伸ばされた時間領域の狭間。

家庭科室の三徳包丁を盗んだ男が現れた。

神造三徳包丁は流通品(一般人が想定する一般市場に流通している商品を指す言葉。神造品は一般的な流通には乗らないため生産者と直接取引にて入手する)よりもずっと切れ味が良いので、振るった瞬間男の存在する時間を切り裂いた。男は腕利きの盗人だった。高等学校に侵入することすら容易ではなく、脱出することはさらに厳しい。ましてや盗みを働いて逃げおおせるなど夢のまた夢だったが、男には計画があった。そして男の計算が正しければ、成功率は八割。いけると考えていた。しかしまさか盗んだ物にまで仕掛けがあるとは。時間の流れが絶たれた領域で、男は後悔していた。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で切り裂かれた時間を破壊した。

中途半端に残っていた時間が失われ、また物語は時を繰り返すこととなった。

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