第8話「誕生!ショットガン女子高生!」

午前三時のベッド。

突如として荷物の隙間から這い出したゲジに怯える少女が現れた。

少女はゲジ(一般人が想定する節足動物門ムカデ綱ゲジ目に属する動物を指す言葉。伝統的にはゲジゲジと呼称されるが、標準和名としてはゲジである。十五対もの歩脚が実に気持ち悪く、よく害虫として処理されるが人に対して物理的な害はない)よりもずっと高い戦闘能力を誇っていたが、残念ながら精神が成長過程であり、虫一匹というか弱き存在ごときに泣き叫ぶ始末だった。いつか訪れる終末を生き抜くためには強い精神力と鋼の如き肉体が必須であったが、肉体はともかく心を育てることは非常に難しい。健やかなる成長だけでは強靭な心は手に入らない。自ら死地に飛び込む経験が必要だ。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で少女のベッドを打壊した。

獅子は我が子を千尋の谷に落とすのだ。

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