【5】代替え
他と交流を一切絶って育った
「
しかし、
昔、
年下だったはずの女の子が、ずい分大人に見えたと思い出す。
「本当は、
再開した当初、
「俺、変えてもいいよ。このまま俺が使っていると、
問いに対して、
「ああ、そうか。今更俺が変えたとしても、もうあげにくいよね。ごめんね」
一瞬、動きを止めた
こうして元気でいてくれてよかったと、
大切な人が何年もいないさびしさは、
「
「そう?」
「そうです! 私のことをわかっていて、ずっといてくれていじゃないですかぁ……」
「いや、うっかりしていた。
「何か、あげるの?」
はやくあげなよと催促したつもりが、
その香水を気にするのは、誰が選んだかと考えたからだろう。名を浮かべるのは、かんたんで。そもそも
「変えてもらわないの?」
「気になるでしょう?」
「大丈夫です」
「健気だね」
「いいんです。となりに置いてくださっているだけで」
「何か、あった?」
「いいえ……」
絞り出すように
帰城したばかりときの
一方の
ただ、それ以外は相変わらずの態度だ。どこか馴れ馴れしく、それでいて無理をして明るく振る舞っているように感じている。だが、成長過程による影響なのかもしれない。
とは言え、
そう考えれば、
「
と言ってみたが、
「はい」
そんな
「着いたね。手続き、一緒に行くよ」
あくまでも
「本当にひとりで平気? 俺、
元々、船を乗るまでの案内だったが、心配のあまりに出た過保護な
けれど、
「ここまででも充分です。本当に、ありがとうございました」
「そう? じゃ……明後日の早朝に、またここで」
「はい」
「
受話器から響く大臣の声。
「いい。声を聞けば……会いたくなる」
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