第24話 騎士との試合
~騎士団の練習場~
練習場に入ると熱気とともに騎士団員たちの声と剣戟の音が聞こえてきた。
「はぁぁぁぁ!!」
「シッ!!」
キンッ!!キキンッ!!
騎士団員たちの練習がひと段落すると、騎士団長が騎士団員たちに声をかけた。
「お前ら!!今からこいつらと模擬戦を行う!!戦うのは俺だ!!普段お前達は練習ばかりで、自分の動きがなってないやつがまだまだ多い!!観察することも勉強のうちだ!!これを機に修正していけ!!」
すると騎士団員たちは全員揃った声で勢いよく返事をした。
「「「「「はい!!」」」」」
すると1人の騎士が怒りを隠す事なく俺たちに怒鳴ってきた。
「団長!!なぜそのような子供と模擬戦などをするのですか!!そのような子供とやるより俺たちに直接指導してくださったほうが力になります!!」
すると騎士団長は、ため息を一つつくと、
「お前はこの者たちの強さがわからないのか。返事をしたやつは皆なんとなく強者であることを感じていたぞ。それが分からないなら、まだ騎士団の精鋭組には入れないな。」
と言った。するとその騎士は、
「なら、俺と戦わせて下さい!すぐに倒します!!」
と言ってきた。騎士団長は呆れたような表情をすると俺たちを見て、
「すまない。こいつがこんな事言ってるんだが、叩きのめしてやってくれないか。その後で俺とも戦って貰いたいのだがいいだろうか?」
などと聞いてきた。
まぁそこまで疲れるわけでもないしな。モミジに聞いて良さそうならやろうかな。
「モミジはいいか?別にモミジに戦って貰う訳じゃない。俺がやる。」
するとモミジはため息をつくと、
「今更何言ってるのよ。私はあなたについて行くだけだって言ったでしょ?あなたの好きなようにすればいいじゃない。」
と言った。
「まぁそうなんだけど。一応聞いておかなきゃな。同行人な訳だし。ま、取り敢えず戦って見たいからそうさせて貰うか。」
そして俺は騎士団長に向かい合い、了解であることを示した。そしてすぐに試合に移り、騎士団長がルールを言った。
「では、ルールは『気絶までなら何をしてもいい。』だ。ただし、剣を使う場合、こちらで用意した木剣を使って貰う。」
騎士は木剣を手に取り、俺の反対側にいった。俺は素手でいくつもりだったので、何も持たず、構えをとった。
「それでは始め!!」
と騎士団長が声をかけた。
そして騎士は木剣を構え、俺に聞いてきた。
「舐めてんのか?素手で戦うと言うことは。」
と言ってきた。まぁそれは当然だから、
「はい。」
と答えてやった。すると、分かりやすく激怒して向かってきた。
「貴様ぁぁぁ!!」
俺はさらりと最低限でかわし、素早く後ろに回り込み、首に手刀を打った。
ドスッ!
そして一瞬「うっ」と声を出し、騎士は前に倒れた。
見ていた騎士団長たちは俺の動きに動揺を隠せず、口をパクパクさせていた。
「終わりましたよ?」
と俺が声をかけると、騎士団長は
「...あ、あぁ。...それで気になっているのだが...今、お前何をした?」
と聞いてきた。ただ避けて首に手刀を入れただけなのでそう答えると、
「そ、そうか...。一体お前はステータス値いくつなんだ...。」
と騎士団長は遠い目をして言った。
そして騎士団長が上の空から帰ってくるのを待ち、気絶した騎士を見ていた騎士が片付けたあと、俺は騎士団長と戦う事になった。
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