第23話 王様との話し合い
~応接の間~
俺たちが案内された応接の間は、以外に質素な空間だった。そこに向かい合った大きなソファーとカーペットと少し小物があるだけでそこにはほとんどのものが置かれていなかった。俺たちが謁見の間との差に驚いた様子でいると、従者さんがソファーに座るように促された。すると、
ボフッ!
「「うわっ!!なんだこれ!?」」
座るところの高さが一気に3分の1ほど縮んでいた。すると従者さんがクスッと笑って、説明をしてきた。
「こちらはお座り頂くところにフィットバードと言う鳥の羽を使用しています。そのため大変沈み易く、それぞれのお体にフィットするようになっています。初めての方は大体そういう反応をいたします。」
「なんかこれ人がダメになるソファみたいね...。」
「そうだな...。」
と異世界産人がダメになるソファを楽しんでいると王様と王女様ともう1人気配を隠しながら入ってきた。
「すまん、待たせたな。」
「ツネナリ様、モミジ様、お待たせしました。」
「いえ全然です。」
「そうか。では、早速本題に入るとしよう。まずはツネナリ殿、モミジ殿まずはシャリルを助けてくれた事本当に感謝している。」
とさっきまでとかけ離れた口調で俺たちに頭を下げてきた。
「や、やめてください!!貴方は国王なのですから、そんな俺たちに頭を下げてはいけないと思いますよ!!」
「そ、そうです。困っている人が居たら助けると言う当たり前の事をしただけです!!それがたまたま王女様だったと言うだけで!!」
「今は違う。シャリルの親として感謝しているのだ。本当にありがとう!!」
「そう言う事なら...。ところで気になっていたのですが、そこにずっと気配を消している方がいますがその方は誰なんですか?」
と俺が言うと、王様と王女様は驚いたように目を見開いてこっちを見てきた。
「えっと、そんなに驚くものなんでしょうか?俺だけじゃなくて、モミジも気づいてるはずですよ?なあ。」
「うん。気配を消しながら入ってきた時点で、何かしてくるかもしれないと警戒していました。」
するとあり得ない表情で、「何と...。そなた達は一体...。」と言った後、
「...もう良い出てくるのだ。」
と王様が言った。すると、気配を消すのをやめてこちらに近づいてきた。
「まさか気づかれているとは思わなかったぞ。自己紹介をしよう。俺は騎士団長をしているガリウスだ。」
「ツネナリです。」
「モミジです。」
と自己紹介をすると、王様は
「そなた達はどうしてそこまで気配がわかる。さては先ほどあった王都中の民が腰を抜かすと言う事件はそなた達が起こしたのか?」
と聞いてきた。
「え、ええ。申し訳ございませんでした。あの時ちょっといざこざで、イライラしてしまい、少し本気の力を出しちゃいまして...。」
と答えると、
「「.........。」」
「がはははは!!」
王様と王女様は絶句、騎士団長は冷や汗を猛烈にかきながら笑った。そして王様は確認するように再度聞いてきた。
「あ、あれで少しなのか??」
「ええ。本気ならSランクの人はどうだかわかりませんが、王都中の人を気絶させれると思いますよ。」
すると王様は従者を呼び、書状を持って来させ、何やら書き出した。それが書き終わるのを待つと王様はその書状を俺たちに渡してきた。
「これを冒険者ギルドに登録する時に受付に渡せ。ちょっとした試験を受ければにすぐにランクを上げてもらえるようになる。」
「「ほ、本当ですか!?ありがとうございます!!」」
と答えると、王様は再び真剣な表情になり、聞いてきた。
「それで、もう1つの質問だが、フィーデルン王国について聞きたい事があるそうだな。なぜあの国について聞きたい?」
「はい。これについてはフィーデルン王国以外の国にも伝えるべきことになります。」
「ふむ。では申してみよ。」
「はい。ではお話ししますーー」
そして俺たちは究極固有スキル《アルティメットユニークスキル》のことなどについては隠し、フィーデルン王国が俺たちを召喚し異世界から来たこと、俺たち2人は帰還の魔法陣だと嘘を付かれ魔境に飛ばされたこと、飛ばされている時に最高神フールと会い、加護を貰ったことなどを話した。逆にフィーデルン王国のことについても知ることが出来た。
「ーーということなんです。」
「それはまことか!!」
「はい。」
「なんと、そんなことが...。それでそなた達以外はフィーデルン王国に隷属状態で誰も彼もが強力な人材だと...。」
「はい。」
「なるほど、これで少しはあの国の情報が掴めたぞ。ありがとう。」
「いえ、こちらこそ。こちらもフィーデルン王国について知ることが出来て良かったです。」
「うむ。」
そして話が終わり、俺たちが帰ろうとすると、騎士団長が俺たちを引き止めて来た。
「この後、手合わせ願えないだろうか。」
俺はその言葉に頷き、俺たちは騎士団の練習場へと足を運んだ。
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