第18話 街を目指し始めました


翌日


「よし、準備はできたな。じゃあ行くとするか。」


「ええ、早くこんな森抜け出して街に出たいわ。」




あの後、丁度起きてきていたモミジと夕食を済ませた後、今後の方針について話し合い、明日から街に向けて出発することになった。ちなみに防具と武器についても説明したんだが、「もう、驚くだけ無駄だとわかったからもうなんでもいいわよ。」と言われた。



そして今日、これから魔物と戦うことになるわけだ。〔叡智〕にこの魔境にいる魔物を聞いたが軒並み強い魔物ばかりだった。まあ、俺が作った防具があれば大丈夫っぽいけどな。そしてどうやら俺がステータスをもらったミノタウルスレベルは基本出ないらしい。


「たしかこの鍵を掛ければ箱に戻るんだったな。」


カチャカチャッ...ボンッコロコロコロ...。


「さあ、出発しようか。」


「ええ、そうね。」


そして俺たちは〔叡智〕をナビがわりにして木々を掻き分けながら進み始めた。


~歩き始めて数分後~


『前方、20メートルにダークウルフが2匹います。』


「おっけーありがとう。じゃあモミジ、お前はここで隠れてろ。当然だが、今のお前のステータスではあいつらには勝てない。戦うのは次からにしてくれよ。」


「嫌よ...と言いたいところだけど今回はお願いするわ。」


「よし、じゃあ行ってくる。」


そしてダークウルフたちのところに向かった。


戦う前にダークウルフのステータスを確認すると、


ダークウルフ×2

HP 1500 /1500

MP 650/650

物攻 950

物防 600

魔攻 500

魔防 300

筋力 500

スピード 800

運 20

魔法適正 闇

固有スキル《ユニークスキル》 無し

スキル 〔闇魔法LV6〕〔噛みつきLV8〕〔咆哮LV6〕〔潜伏LV8〕〔気配察知LV3〕

称号 無し


「魔境の魔物だけあって強いな...。俺のステータスには及ばないが、あの2つのLV8のスキルに気をつけないとな...。」


と呟きながら、黒桜(刀に名前をつけた)を構え、ゆっくりと慎重に距離を縮めて行く。


「「ワオォォォンッ!!」」


突然ウルフたちが吠えたと思うと、


「グッ!!体が動かないッ!!なるほどこれが咆哮かッ...!!」


と分析していると、ウルフたちが飛びかかって来た。


『『グラゥッ!!』』


「グッ!!マジか!!クソ!!動きやがれ!!うおおおおおお!!」


<<ピロンッ!!硬直耐性を取得しました。また、神託LV5の影響でLV6に上がりました。>>


そう声が聞こえたかと思うと急に体が軽くなった。


「よし!動いた!!ーーッとと...。」


危機一髪で攻撃を避け、刀をしっかりと握り直し、再び向かいあった。ウルフたちは俺が避けた事に驚いたのか、少し警戒しながらも再び飛びかかって来た。


「今度は油断しないッ!!」


スピードの高さのおかげなのか飛んでくるウルフたちの軌道を簡単に読み、


ザクザクッ!!


と冷静にウルフたちを倒した。


「ふぅ~。さっきのは気配察知か?スキルLVが低くても油断出来ないな...。」


チート武器と高いステータスで安心しきっていた自分を戒めていると、倒した事に気付いたのか、モミジが近寄って来た。


「倒したのね!!...にしても酷い光景ね...吐き気がするわ...。」


「しょうがないよ。倒さなければ自分たちが殺されちゃうんだから。」


「こんな事をこれからしていかなければいけないのね...。」


と言うと吐き気が我慢できなくなったらしく吐きに行った。


モミジが吐き気が収まるまで待った後、ダークウルフたちのステータスを〈リユース(再使用)〉を使い、モミジと俺のステータスを上げた。


この戦闘でどれだけレベルが上がり、1レベルあたりどれくらいステータス値が伸びているかを確認した。


名前 ツネナリ=オオハシ

レベル 50

年齢 18

種族 人間

職業 剣士(3Rの使い手)

HP Error /Error

MP Error /Error

物攻 4800

物防 3300

魔攻 2350

魔防 1950

筋力 5550

スピード 7100

運 150(5100)



「は?」


思わず声が出てしまった。するとモミジが「どうしたの?」と聞いて来た。


「うん、レベルが一気に50まで行ったんだ。それでスキルの影響か、HPとMPがError 表記になって見えなくなってた。」


「へっ?」


「多分、HPとMPがステータスに表記できる値を超えちゃったからだと思う。スキル見た時良くわかってなかったけど、HPとMPのステータス値×2していくから10の次は20、その次は40とまぁそんな感じに伸びて行くから滅茶苦茶な数字になったんだと思う。」


「は、はは...はははは...。何そのチートありえないでしょ...。もういいわよ続けて、どうせレベルが上がった時のステータスの上昇値もおかしかったんでしょう?」


「は、はは。よくわかったね。実はーー。」


俺のステータスの上昇値は初期ステータスと同値。レベル2になると初期の2倍、レベル3になると初期の3倍になると言う計算になる。つまりーー


「やっぱりチートじゃない!!はぁ、もうやめた。もう好きにして...。」


俺はモミジに呆れられ、また魔境の中を歩いて行く。


二章 完

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