第4話:謎の訪問者

 ドアスコープを覗くと男性がいた。

「あれェ~……?」

 スッゴい若くてイケメンだが、ヒゲ男ではない。


「は、はい、どなた……?」

 チェーンを掛けたままドアを少しだけ開け応対した。


「どなたって、オレだよ。オレオレ!!」

 ドアの隙間からアピール。


 なンだ、オレオレ詐欺か……❓❓


「ン…、知りません」

 きっぱりと言い切りドアを閉めた。

 だってヒゲないし、全然、違う人じゃん。


「ヤダな~。オレだよ。旅人のスバル」

 ハッハハと笑った。


「えェーーー?」

 もう一度ドアを開けカレの顔を見直した。


 う~ン………!?


 ま、確かに言われてみれば……

 ヒゲを剃ったら…!!


 旅人はニコニコしている。


 隣の主婦が顔を出し、不審な顔でスバルを見ていた。


「ちょっと入れさせてくれな~い」

 何か、下ネタっぽいな……

 こいつが言うと……!!


「どうして、ここが……?」

「え~、だって、教えてくれたジャン。住所~。ホラ~」

 そう言うとポケットから色々なモノを取り出した。


 お前は整理整頓とかしね~のか。


 ガムに、レシートに領収書……。

 っで……


「あったあった、これェ……😆🎶✨」


「ゥ…ン…😔💦💦💦」 

 確かに、これは…… あたしの字だけど……


「これは……!!」

「ね、思い出した~?」

 妙に馴れ馴れしい。

 って、言うか、ウザい。


「思い出さないわよ。って、言うか。思い出したくもないわァ~ー❗❗」


「あっちゃぁ~……」

 お前、いつの時代のリアクションだ。

 昭和か……!?


 隣の主婦が見かねたようだ。

「ねぇ、警察に連絡するゥ…❓❓」

 心配げに私へ声をかけてきた。


「いえいえ、オレたち昨日、ラブホに泊まった間柄ですから……😁✨🎶✨」

 ヤケに明るくケラケラ笑った。


 って、お前……!!


 裏庭に家庭菜園の野菜といっしょに埋めるぞォ~!!


「あのね~……!!」

 思わず、あたしの顔は引きつった。


「本当なの!?」

 主婦がニコニコと興味ありげに聴いた。


 おいおい不倫がテーマの昼ドラじゃね~ンだ。


 そんなに興味、持つなって……


「開けてよ。杏華~~!! ほら、ちょっとでいいから、さァ~ー」

 主婦に向かって手を振り、彼氏アピール。


「もォ~~……」

 仕方なくチェーンを外しドアを開けスバルを招き入れた。















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