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六月十二日

「おはざース。珍しいっスね真木さんが遅刻って。寝坊スか」

 携帯に視線を落としたままそう言った根本は、少し遅れて真木の顔を見るなり怪訝に眉根を寄せた。

「真木さん、なんか、昨日の今日でちょっとやつれました? 体調悪いんですか? いつにもまして人相悪いスけど」

 真木は首を傾げ、記憶のそこにざらつく澱を頭から追い出そうと試みる。思い出したくないと思うほど、悪夢が鮮やかに蘇るような気がして首を回した。眠っていた時間は六時間そこそこだったはずなのに、まるで一ヶ月ほどをそこで過ごしたような疲労が溜まっている。

「夢見が悪かったんだ。たぶんそのせいだろう」

「真木さんにそんなナイーブな面があるとは、意外です」

 根本が大袈裟に目を丸くしてそんなことを言う。何か言い返してやろうと真木が口を開く前に、根本は「ごめんなさい」と両手を降参の形に上げてひらひらと降った。

「ジョークですよジョーク、そんな睨まないでくださいって。――まあ、しゃーないっすよね、こんだけ事件続きなら」

 神奈川県警捜査一課、強行犯係に籍をおく真木と根本にとって、「事件続き」なんてのは当然のことだ。会社にいて仕事続きと言っているのと変わらない。ただ、管轄下ではここ数ヶ月ばかり妙な不審死が相次いでいる。一様に頭が砕かれた遺体は、しかしそれが死因というわけでもなく、それぞれが別の原因で死に至っている。つまり、全ての遺体は死に至った後で頭を砕かれている。

 あと五人。あと四人。カウントダウンのように添えられたカードが、まだこの事件が続くことを示していた。

 携帯を取り出し、日付を見る。六月二日。つまり今日、三人目の被害者が出る。

 真木は今朝、悪夢を見た。昨日までの現実と地続きの夢だ。三人目の被害者はアパートの自室を出たところで撲殺されている。日付は六月二日、死亡推定時刻は十一時半前後。つまり、事件が起きるまであと二時間と少し。

――たかだか夢だ。

 真木は内心で自分にそう言い聞かせた。たとえどんなにリアルでも、まるで事実のように脳裏に焼き付いていても。

 すべきことは山ほどある。今までの事件の検証、聞き込み、調査。しかし時間が経っても脳裏から夢を追い出すことができない。焦燥が胸を焼くようになって、十時半を回った頃、ついに真木は席を立った。

「根本」

「はい」

「でかける。ついてこい」

「何スか急に。サボりすか?」

「いいから」

 部下を急き立てて署を出る。車を一台借りて乗り込み、記憶を手繰るようにしてそれを走らせた。平日の昼とあって、道はそれなりに混んでいる。サイレンを鳴らせば道は空くだろうが、まだ事件が起きていない以上はそれもできない。

「急に外出なんて、何かわかったんスか」

「いや」

 真木は首を振る。何かがわかるかと言われればそういうわけではない。夢に見た現場を、まだ発生していないはずの遺体をただ確認しに行くだけだ。

 現在十一時、時間はあまりない。

「何もないならそれでいいんだ」

「やっぱ今日どっか変スよ真木さん。なんかあったんじゃないスか」

「……追々話す」

 現場アパートが視界に入って、真木はその近くに車を止めた。何もなければ違反切符は甘んじて受け取るしか無い。

 そのアパートは三階建てで、部屋が一列横並びになっている。外階段が三箇所にあり、エレベーターは無い。被害者宅は二階で、犯人は上からも下からも来ることができる。

 事件が起きないならそれでいい。起きるなら、被害者を助ける。犯人を押さえる。四件目の事件は起こさせない。

 ごつごつと足音がする。下だ。身を潜めていた階段をそっと数段上がり、相手の視界に入らない場所へ移動する。

 階段を上がってきたのは男だった。身長が低く、ずんぐりとしている。一段一段足元を確かめるような足取りで、周囲をきょろきょろと見回しながら、一つの部屋の扉の前に立つ。手元と部屋のプレートを見比べる。手に握っているのは車に備え付けられた脱出用ハンマーだ。

 鍵の開く音がする。男がハンマーを振り上げる。

「根本!」

 真木が声を張り上げるまでもなく、根本は駆け出していた。男を挟んで左右から同時に飛び出す。男は少し驚く素振りを見せたが、意外にも抵抗しなかった。今まさに襲われんとしていた部屋の住人は、一度開いて閉じた扉をまた少し開いて、恐る恐ると言った様子で顔を覗かせた。

「十一時二十二分、現行犯確保」

 おとなしくされるがままになっている男に、根本が手錠をかける。

「警察です。軽犯罪法違反でご同行願います。部屋の方も、後ほどお迎えに上がりますので出頭願えますか」

「え、俺、自分もですか」蚊帳の外と思っていたのか、部屋の主が慌てた風の声を出す。「今から仕事なんですけど」

「お伺いしたいことが何点か。ご迷惑おかけして申し訳ありませんが、ご協力ください」

「訊かれても何も知らないです。その人が誰かも、っていうか何、何なんですかこれ?」

「詳しい話は後ほど。すぐに署の人間を呼びますから、部屋にいてください。――根本」

「うっす。帰りはサイレン鳴らします?」

「……鳴らさなくていい」


 男の名は国木田晴彦。建築業で働いており、殺害しようとしていた神林和也との面識はない。

 曰く、ある日国木田の住む部屋に、神林についての書類と自分についての書類や両者の大量の隠し撮り、それから多額の現金が送りつけられてきた、とのことだった。

「殺されると思った。命令に従わなければ殺すって、あれはそういう意味だろう? だから俺の写真まで入っていたんだろう?」

「なぜその時点で警察に言わなかったんですか」

「警察に言ったって二十四時間守ってくれるわけじゃない、警察に言ったことがバレたら殺される、あの男、神林って男、あいつを殺しさえすれば安全な場所に行けると思ったんだ」

「出頭するつもりだったと?」

 署員が尋ねる。国木田は頷く。

「先の二件の殺人については?」

「知らない、俺じゃない」国木田は首を振り、しかし「なあ、俺を逮捕してくれ、このまま安全なところにおいてくれ、ここを出たら殺される」と必死の形相で訴えた。

 聴取を担当していた署員に困惑したような視線を向けられて真木はため息をつく。どうせなら認めてしまえばめでたく「安全な場所」行きになるだろうに、とは声に出さなかった。自白の強要もしくは教唆になりかねないからだ。

 一応、現状のままでも軽犯罪法違反で保護室に置くことはできるだろう。しかし、それだってたかが数日だ。

 真木の記憶では、国木田は神林殺害後も自首していない。「殺される」という国木田の主張が本当だったのか、あるいはただ逃げただけなのか。しかし他殺ならばそれはそれで一課に回ってきているはずなので、おそらくは後者だろう。

 どうしたものかと悩みながらコーヒーを啜っていると、神林側の聴取を終えたらしい根本が自販機のそばまでやってきた。

「お疲れ様です」

「どうだった」

「収穫ゼロっス。今までの被害者もわからない、今回の加害者も知らない、骨折り損のくたびれ儲け。あっちからしても同じでしょうけど」

「ん。お疲れさん」

「真木さん、聞いてもいいっスか」

 根本はコーヒーを片手に真木の隣に腰掛けた。心なしか声を落とす。

「なんで今日、あそこで、襲撃があるってわかったんスか」

「……夢見が悪かったと言ったろ」

「予知夢とかってことスか」

 根本が訝るのも仕方のないことだった。真木自身、予知夢だなんて信用できない。しかし実際に事件は起こったのだ。

「予知夢と言って正しいのかはわからん。夢の中では国木田を捕まえられなかったし、神林は死んでいた。俺は起きた事件の調書を読んだだけだ」

「でもそれ覚えてるってすごいっスよね、お陰でひとつの事件を未然に防げたわけですし」

 根本が「お疲れ様です」と言って掲げたカップに自分の持っていたカップを軽く当てる。あまり行儀がいいとは言えないが、これくらいは許されてもいいだろう。どうせ誰が見ているわけでもない。

「それで国木田ですけど、前二人の件についてはどう証言してました?」

「いや、前二件については否認している。詳しくはあとで調書が回ってくると思うが」

 場所を移し、めいめい選んだ宅配の弁当を箸でつつきながら聴取の内容を掻い摘んで説明した。国木田が前二件の殺害については関与を否認していること、脅されていると訴えていること、その脅迫の主も誰だかわからないと主張していること。これから、国木田が主張している脅迫の証拠を押さえに行くために家宅捜索の令状を取らなくてはならないこと。

「ってことはあれっスか、国木田の主張を信じるならスけど、黒幕的なものがいるってことスかね?」

「映画じゃあるまいし」

「事実は小説よりって言うじゃないスか」

 根本の言うことはある一面から見ればまっとうとも言えるが、それでもにわかには受け入れがたい話だった。

「それにしたって、今までの犯人が自首していないだろう。国木田と同じように脅されてやったと言うなら、国木田が考えたようにその後で自首してきてもおかしくない」

「それはあれっスよ、……あー、そこそこ不適切な発言になるんで、すみませんやっぱ今のナシで」

 根本が顔の前で手をひらひらと振り、何かをかき消すような素振りをする。「不適切な発言」とはおそらく、これまでの加害者の全てが既に口を封じられている、という種類のものだろう。一般人の井戸端会議ならいざしらず、警察官が庁舎で駄弁る内容ではない。

 確かに、その可能性は捨てきれない。死人に口なしというのはひとつの真実ではあるし、例えば死体までもが隠蔽されていたとすれば、一課に回ってこないというのも大いに有り得る。

 ただ、シナリオとしては信憑性に欠ける。まるで三文小説か二時間ドラマだ。

「まあでもあれっスね」根本が天丼の残りを勢い良く口に詰め込みながら不明瞭な声を出す。「そうまでして明確に名指しされてるってことは、やっぱり被害者同士に接点があるってことじゃないスか」

 これまでの捜査は基本的に、犯人像を固める方向に動いていた。手口や遺留物、殺害方法などから犯人を探そうとしていたのだ。しかし、国木田の主張を信じるならばそれらの捜査にはほとんど意味が無かったことになる。手口も遺留物も殺害方法も、バラバラの人間を指しているはずだからだ。

 もちろんこれまでの事件の実行犯を挙げることは無駄ではないが、それだけでは次の事件を止められない。

「今はとにかく国木田だ。それから増えた情報の整理。実行犯が網に掛かっただけでも得たものは大きい」

「真木さんのその夢って、続きは無いんスか? この後の事件の予言もできたりしません?」

 この後の事件。真木は眉根を寄せる。もしかしたらこの事件の解決の糸口がそこにあるかもしれないと思いながら、記憶の糸を手繰る気にはなれなかった。

「無いな。この先にあるのは昨日までと同じ地味な調査だ。国木田が挙がった時点で今の方が余程状況として進んでいる」

 真木は時計を見る。十三時二十分。あと三、四十分もすれば家宅捜索の令状が降りるだろう。聴取が十三時を跨いだことはある意味で幸運かもしれない。

「真木さん」

 声のした方向を振り返ると下村が立っていた。下村は根本の同期で、同じ捜査一課の別の班に所属している。

「鐘崎さんが呼んでます。聞きたいことがあるそうで」

「車の件っスかね」

「それもあるでしょうけど、まあたぶん全部です。平たく言って不審なので」

 下村は根本を真似るように時折軽口を叩くが、そのやり方が絶望的に下手だ。


 下村の言った通り、鐘崎の「聞きたいこと」はつまり「全部」だった。夢に見た事件が本当に起きた、などと馬鹿馬鹿しい主張は真木とてしたくはなかったが、事実なので渋々そう説明した。鐘崎は真木の説明を聞いて首を捻り、二度「本当か?」「担いでないか?」と聞き返し、腕を組んで押し黙ってしまった。

 鐘崎は真木より五つばかり年嵩で、警察に入った頃からの付き合いだ。その間にお互い何度か転勤しているものの、一年半ほど前にここで再会を果たした。一番最初に出会ったのも刑事課の強行犯係だったので、真木にはそのことがなんとなく感慨深い。

 鐘崎は身長が高くて恰幅がよく、ほとんど常に上機嫌で福々としている。七福神の恵比寿天に似ているが、刑事課強行犯係にあっては鬼のごとき辣腕で知られている。

「すみません、曖昧な説明になってしまって」

「まあ何、真木がそういう種類のジョークを言うやつだと思ってるわけではないんだがな。夢、……夢かあ。しかし何だ、夢の中でまで仕事してたのか?」

「ええまあ」

「そんな夢を見たら看過できなくなる気持ちはわかるが、あんまり根を詰めるなよ。もうすぐ結婚記念日だろう」

 唐突に話をそらされて真木は少し面食らう。鐘崎は普段そういうところに踏み込む男ではないが、おそらく夢という根拠に対してどうとも結論しかねたのだろう。真木にとって、プライベートに言及されることは少し、面映い。

「よく覚えていますね」

「日付まで覚えているわけじゃない。ただせっかく六月の結婚だっていうのに、休みが取れなかったからって仏滅に籍入れただろう」

 そうだ。真木は笑う。

 真木と妻が出会ったのは三年前の六月だった。日付までは無理でも近いところで結婚したいという妻の要望に合わせた結果だった。ただどうしても平日の昼に抜けることができず、土曜の窓口にも間に合わなくて、仕事が一段落したその日に少しだけ抜け出して婚姻届を提出したのだ。

 一日待てば大安だったでしょうにと当時も随分笑われたものだったが、実際のところ翌日は翌日で業務が重なっていて、あの日を逃せば六月中の結婚は無理だったのだから仕方ない。

「仕事人間は構わないがな、大事な日を前に倒れるなんて馬鹿をするなよ。体を休めるのも仕事の内だ」

「あの」真木は少し声を低くした。「その日なんですけど」


 仕事を終えてマンションの部屋に戻ると、ちょうど妻の早苗が台所に立っていた。真木の住むマンションはそう広くなく、玄関からキッチンがすぐに見える。もともと狭くも思えなかった部屋が今少し手狭なのは、単に物が増えたせいだ。

 警察官は短くて一年、長くても三年ほどのスパンで転属を繰り返すことになる。必然引っ越しも多くなり、異動は県内のみの話なので、家庭のある人間ならば通勤時間を増やして対応することもあるが、真木のように独り身の人間は荷物を減らして引っ越した方が楽だったのだ。

 次の転属はそうは行かないだろうな、と、結婚前には買ってもいなかったコンロで調理をしている妻を見ながら思う。

「ただいま」

「おかえり。ちょうどよかった、ご飯できたところ。テーブル準備するから、スーツ脱いじゃって」

 真木は首肯して寝室へ下がる。スーツを脱いでハンガーに掛け、ネクタイ、シャツ、スラックスをハンガーに掛ける。部屋着に袖を通す。これも一人の頃には無かった習慣だ。リビングに戻ると、テーブルの上に料理が並んでいる。

「お疲れ様。体調はどう? 今朝ひどい顔をして出ていったでしょう」

 妻が真木の顔を覗き込む。緩いカーブを描く栗色の髪、白い肌。本人が「荒れていてみっともない」と言う手や指も真木にとってはきれいなものだ。仕事にかまけてほとんど家事もしない真木を、じっと支えてくれているのがこの妻の手だった。

 真木はもともと、それこそ一人暮らしの頃からほとんど家事をしなかった。食事は外食だし、シャツはクリーニング、洗濯は下着と靴下のみ。それすら面倒になっては頻繁に新品を買っていた。あまりにも部屋にいないものだから、ひどいときには電気会社から生存確認の電話が入ったほどだった。

 その真木が曲がりなりにも人間らしい時間に帰宅して人間らしい生活を送るようになり、拙いながら家事までするようになったのは妻がいるおかげだ。

 だが実際のところ、このことを誰よりも大袈裟に喜んでいるのは妻ではなく根本と鐘崎だった。「無理して体調崩されたら困るのに、俺らが何言ったって真木さん、聞きゃしないんスもん」とは根本の弁、「ようやく肩の荷が下りる」とは鐘崎の弁だ。

「ありがとう。今朝は少し夢見が悪かったんだ。体調はもともと何でもない。――いただきます」

「どうぞ。夢って?」

「仕事の夢だ。内容自体は大したことじゃないんだが、夢の中でまで仕事をするとさすがに気が滅入る」

「仕事仕事で疲れているんでしょう。次のお休みっていつなの?」

「何も無ければ木曜」

 真木は答えるが、まあ概ね「何か」はあるものだ。それが直接真木の班に関わることで、代替が効かない場合は休みを次に繰り越すことになる。

「ただ、今度の二十八日は仕事を休むことにした。こっちは確定してる」

「あら珍しい。普段は何を差し置いても仕事してるのに」

「結婚記念日だからって、鐘崎さんが都合をつけてくれることになった。あまり遠くには行けないけど、少し足を伸ばして旅館にでも泊まろう」

 そう言うと、早苗は驚いたような顔で真木を見た。それからくすぐったそうにゆるゆると相好を崩す。

「あなたらしい。そういう、秘密にしないところ」

「サプライズの方が好みだった?」

「ううん。今、もう十分びっくりしてる。――私ね、昔、遠足とか運動会の日っていつも熱を出してたの。楽しみすぎて眠れなくなっちゃったりしてね」

「知ってる。一度それで会うのをキャンセルされてるから」

 真木が古い話を掘り返すと、妻はくすくす笑った。古い話と言っても、ここ一年か二年の話ではある。当日急に予定をキャンセルされて理由を聞けば、楽しみにしすぎるあまり熱を出してしまったのだと言う。子供じみた理由と「そこまで楽しみにしてくれていたのか」という驚きに、怒るよりも先に笑ってしまったのを覚えている。

「あの時はごめんね」

「過ぎた話だ。でも、今度は熱を出さないでくれると助かる」

 真木が言うと、早苗は「気をつける」と言って笑った。鶏の照り焼きを箸でつまみ、口に運び、咀嚼してはまた静かに笑みをこぼす。

「あのね、私、今すごく嬉しいの。でもお礼言うのってまだ早い?」

 いたずらっぽい視線に見上げられて、真木の口元が緩んだ。別段お礼を言われることではない、と思う反面、確かにお礼を言うタイミングではないとも思う。

「宿が気に入ったら、その時でいい」

「じゃあ、今度ね」

 真木は取り敢えずほっと息をついた。サプライズなら、出先でどうとでもすればいい。とにかくその日は自宅を避けたかった。真木は首を傾けて、嫌な記憶を追い出そうと試みる。

 真木は一度、妻の死体を見ている。夢の中でのことだ。

 妻が殺されたのは結婚記念日だった。たかが夢だと思っていても、国木田の件もあって、真木はなんとなくその日を無視するつもりにはなれなかった。とにかくその日は現場である自宅を避けて、三十キロほど離れた海沿いに宿を予約することにした。少なくとも気晴らしくらいにはなるだろう。

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