1章 人生の分岐点
1-1
「ん……」
目を開けると、緑が広がっていた
「え……?私……死んだ……よね…」
ゆっくり起き上がると不思議な光景が広がっていた
羽が生えた馬が空を飛んでいたり、空が虹色だったり……
「て、天国……?」
こんなの…ありえないもの……
「死んだら…こんな感じなんだ…」
「あははっ!面白い事言うね!」
「きゃあっ!?」
突然後ろから声がして振り向くと、騎士…のような服を着て白い羽のついた黒い帽子を被った男の子が立っていた
……見間違えじゃなければ…犬の耳のようなものもついている
「おはようマリアンヌ」
「え?え?
なんで…私の名前………あなたは…誰……?」
目の前の男の子は微笑んでいる表情を崩さずに口を開いた
「ボクの声、聞き覚えない?」
「あなたの…声…?」
確かに、どこかで聞いたことがあるような気がする
けど、どこで聞いたのか思い出せない
「ふふっ、わからない?
まあいいや、お誕生日おめでとう!
ずっとこの日を楽しみにしていたよ」
「え?なんで誕生日のことも……」
"もうすぐ君の誕生日だね"
「あ………」
………もしかして…
「夢に…出てきた……」
「正解だよ!」
私がそう聞くと嬉しそうに答えてきた
夢に出てきた子が…目の前に…いる…?
「や、やっぱここは天国!?」
……こんなにもあっさりと死ねるならもっと前から飛び降りればよかった
「うーん…ここは天国じゃないよ?
でもマリアンヌがいた場所でもない」
「え??どういうこと…?」
確かに私は飛び降りたはずで…
いや……誰かに押された……?
「ここはマリアンヌがいた地球の裏側にある所だよ」
「そんな所があるなんて聞いたことない…」
「うん、普通は知るはずのない所だからね」
「………」
この男の子の言っていることが全くわからない
だってそんなの…ありえない…よね?
「まあそんな深く考える事はないよ!
それよりさ!自己紹介まだだったね!
ボクはアイル、よろしくね」
「え、あ、えっと……」
「どうかしたの?」
あまりにもいろいろなことがありすぎてついていけていない
頭がぐちゃぐちゃする
「まあわからないのも無理ないよ
その為にボクがいるんだからね」
「どういうこと?」
「君には精神的にも強くなってもらってご主人の所に連れていくんだよ」
「ご、ご主人って??」
アイル…と名乗る男の子は少し微笑んだ後ゆっくり口を開いた
「君のお父さんさ」
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