古いあとがき
この小説を書き始めたときには伏見に店を構えていた『ハートオーシャン』のもとになったライブハウスが、今作で描かれた2016年に新栄に移転したことで、『リリリリ』の舞台であるナゴヤが、愛知県名古屋市とは完全に異なる街であることが確定しました。
そして、登場人物のモデルとなった人にこの小説が見つかり「これ、明らかに俺/私/僕/吾輩(猫)だよね」と言われても、シラを切り通すことができるようになったということです。
ノベルジムというサイトが立ち上がって間もなくユーザー登録をして、試しに一本書いてみようと思い立り取り掛かったのが『リリリリ』でしたが、プロットも設定すらも決めずに書き出してしまったことが仇になり、完結まで二年以上もかかってしまいました。
ただ、執筆が停滞しているときにも脳内サブが「おい文豪、俺はいつまでくすぶっていなくちゃいけないんだ」と、発破をかけ続けてくれましたので、決して未完にはならない根拠のない自信もありました。
冒頭で書いたように、この小説は実在の人物をモデルにした登場人物がほとんどを占めています。安藤や犬居といったヤクザにも、イブやシーナといったファンタジックなキャラクターにも、明確なモデルがいます。
その中にあって、主人公のサブだけは、作者が0から作り上げたオリジナルキャラクターです。
自分を育ててくれたといっても過言ではない名古屋の路上ライブやライブハウスの雰囲気や匂いから純粋培養した少年を、思う存分暴れさせることができて、本当に楽しかったです。
楽しすぎて25万字。サブではありませんが「なんてこった!」です。今までいろいろな投稿サイトでこれも含め六本ほど書き上げてきましたが、どんどん長くなっている気がします。
しかしながら、小説は書いていて楽しいのが一番です。
だから、最終話で描かれたあの往年のドタバタコメディのようなオチの付け方も、書いている本人がノリノリだったのだからいいのです。自分でも思いついたときは「ベタ過ぎて恥ずかしい」なんていいながらゲラゲラ笑っちゃって、「まぁ、いいか」と。物語の締め方としては、ベタだろうが手垢がついていようがあれがベストだと判断しました。もう一度書きます。楽しかったです。
この小説を書き上げる上で、今まで以上に多くの人の協力がありました。名前を一人一人上げていくともう一ページ必要になりそうなので、『作者が生きてきた今までの人生でかかわったすべての人々に感謝します』という一言にかえさせていただきます。
サブたちは、今日もあのイカれた街で元気に過ごしていくでしょう。彼らのその後を思い浮かべながら、今日は二年越しの作業が終わった安ど感に包まれながら眠りたいと思います。
2016年8月14日 AM0:13
祖父江直人
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