登場人物紹介

≪サブ≫(20)身長175㎝ 体重55㎏

 本名・霧島三郎(きりしまさぶろう)。実年齢は二十歳だが、三十歳に見える落ち着いた物腰と、四十歳に思われる老成した精神を持つ青年。一言でいうとジジ臭い。前髪が長すぎて目が隠れてしまっている。皮肉屋。

 ロックミュージシャンに憧れ、音楽活動をしていたが、三年間やってリスナーが五人より増えなかったため、プロへの夢を断念した。音楽は好きなため『半引退』と宣言しナゴヤ駅前でストリートミュージシャンを続ける日々を送っている。

 高校中退で、アルバイトをしながら亡くなった祖母の家で猫と暮らしている。夢を諦めてからは完全に腑抜けてしまい、生きる意欲を失いつつある。

 特技はギターと歌、それにクソまずい餃子をつくること。


≪レノン≫(5)

 サブの祖母に飼われていた猫。人に慣れない上に近くのスーパーで売っている一番高いモンプチしか食べようとしない傲岸不遜な雑種の雌。


≪イブ≫(17?)身長161㎝ 体重???(測定不能)

 本名・伊武早矢香(いぶさやか)。育ての親が拾ったときに書いてあった登録名0001-EVE。自称永遠の17歳。声優を志す少女。子供っぽい声と容姿と体型と頭をしている。

 実は高度な技術で作られたアンドロイドで、実年齢は30歳。同じ高校に三十年通っていたが、育ての親である理科教師が退職したのを機にようやく卒業し、地元の芸能事務所に入る。

 内蔵されている燃料電池は数百年の寿命があるため、相当な長命。芸能事務所に息がかかっていた新興宗教団体が狙う“死なない少女”の一人。


≪シーナ≫(10)身長121㎝ 体重17㎏

 本名・椎名(しいな)こころ。推定10歳。栗色の髪をした“野良猫”と呼ばれるマンホールチルドレンの少女。ナゴヤの地下街『根本』で仲間たちと暮らしていたが、イブを追ってきた者たちの襲撃を受け、共に逃走。サブのところに身を寄せる。

 出自は謎で、戸籍もない。さらに心臓が無く、血液も流れていない。代わりに“何か”が鼓動し、“何か”が身体を巡っている。もう一人の“死なない少女”。

 人に慣れない動物でも寄ってくる純粋さを持つ。


≪安藤≫(35)身長174㎝ 体重70㎏

 ナゴヤを中心に、全国的に広い勢力を持つ暴力団『成宮組』の若頭。堅気の人間には如才なく接しつつ、裏の世界では組織拡大のためその手を血に染めてきた生粋の武闘派ヤクザ。

 武勇伝も数知れず、頭も切れるが昔気質でやや柔軟性に欠ける。あることで命を救われたことからサブを恩人として慕っている。


≪ヒロ≫(20)身長180㎝ 体重75㎏

本名・柿崎博康(かきざきひろやす)。成宮組の若衆・舎弟。サブの保育園時代からの幼馴染。サブと同じく安藤の“恩人”で彼の専属ボディガードの立場。しかし、頭も悪く激しやすい性分で扱いに困る人材。


≪ユウ≫(17)身長165㎝ 体重48㎏

 本名・小林佑都(こばやしゆうと)。自称“街の監視員”。サカエの一等地に建てられた超高層マンションの最上階で一人暮らすひきこもりの少年。

 街にある無数の監視カメラをクラッキングしており、過去の映像を巨大なサーバに保管し続けている。

 中世的な容姿、細身な体つきをしているため一見すると女性に見られる。大変に風呂嫌いで、サブが押し掛けるたびに(何故か一緒に)入らされている。


≪ジョン≫(50)身長170㎝ 体重60㎏

 本名・平出守(ひらいでまもる)。サブのギター及び路上ライブの師で、ふとした時に失踪してはひょっこり戻ってくるジョン・レノンに被れたナゴヤの名物ミュージシャン、というか名物おじさん。


≪ブルース≫(42)身長165㎝ 体重50㎏

 『根本』の統括者。彼の親が始めたマンホールチルドレンたちの保護を一手に引き受けている。


≪アカネ≫(18)身長151㎝ 体重47㎏

 本名・本郷(ほんごう)あかね。旧姓は宍戸(ししど)。サブにとって最初のファン。同時期にサブのライブに通っていた新次郎と結ばれ十八歳で結婚、一児を儲ける。


≪シンジロー≫(30)身長170㎝ 体重65㎏

本名・本郷新次郎(ほんごうしんじろう)。アカネの夫。映像作家。サブの二人目のファンで、サブのファンサイトを立ち上げてくれた人物。


≪マナミ≫(23)身長168㎝ 体重55㎏

 本名・西川真奈美(にしかわまなみ)。ナゴヤで娼婦をしていたところをサブに“買われ”た。元“野良猫”で実家はかなり裕福。


≪ヨンジー≫(17)身長170㎝ 体重57㎏

 隣国で絶大な人気を誇るガールズバンドのボーカル&ギター。現メンバーと日本に留学していた時に出場した十代限定のアーティストグランプリで優勝し、本国のレコード会社と契約した。その過程でサブに出会っており、浅からぬ縁がある。来日公演の一か月前に勝手にナゴヤにやってきて、サブの家に住み着く。


≪川上幸喜≫(かわかみこうき)(60)

 現ナゴヤ市市長。剛腕な政治家で、市議会と市政をほぼ牛耳っている。市民からの人気は高い。


≪向山重治≫(むこうやましげはる)(58)

 広域指定暴力団『昇龍会』直参『成宮組』組長。全国的に有名なヤクザで、ナゴヤの裏を取り仕切るボス。市長とは裏で結託している。


≪飯塚昭雄≫(いいづかあきお)(50)

 ナゴヤ市警察本部長。市長とは同じ宗教団体に所属し懇意であり、彼の失脚を防ぐため成宮組には手を出せないでいる。


≪榊梨乃≫(さかきりの)(32)

 ナゴヤ市議会議員。政治団体『国民を愛する会』から送り込まれた市長の反対勢力の一人。市政の暴走を憂慮している。


≪ハヂメ≫(50)

 ナゴヤに出てきた新興宗教団体『プライベートエデン』の代表。


≪なっちゃん≫(享年12歳)

 サブの幼馴染で親友だった少女。故人。サブ曰く『鳥籠のような家』という避暑地の別荘で家族と暮らしていた。

『夏にだけ会える友達』という意味でサブは“なっちゃん”と呼んでいたが、本名は不明。


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