私があなたを選ぶとき。
平らかわある里
第1話 私はこんな感じ。
ハァハァハァ
仕事を終え
早足で駅のトイレへ向かう
トイレに着いた頃には
私は着ていた上着を脱ぎ
鏡の前でフゥーっと息を吐き出す
この季節は、本当に着るものに迷う
なので約束がある日は
選んでいる間に疲れはて
楽しみだった約束が
やや面倒に思えるほど
洋服選びに時間かかるのだ
朝晩は冷え込み
日中は汗ばむこともある
そして私は化粧ポーチを出し
ティッシュを取りだす
まずは顔の汗や皮脂を取る
あぶらとり紙より、ティッシュの方が良くとれて
肌にもいいと聞いたから。
そしてその後はスプレータイプの化粧水
水気を軽くとる
次にファンデーション、
眉毛、
アイシャドーにアイライン
眉毛はとても重要だ
眉毛がうまくかけないとテンションが下がる
マスカラを二度重ね塗りをし
最後にリップで潤して口紅
これで決まりだ
髪の毛にいい香りのするスプレー
をかけ、くしを通す
ネット等で調べあげた
いわゆる男受けがいいとされている
“石鹸の香り”
そして、最後の決めてはお気に入りのCHANELの香水。
とても甘くて女の香りがする。。
昼には鼻につくときもあるが、夜には私自身を艶やかにしてくれる香りだ
ふと、、周りを見渡すと
同じように、せっせと化粧をし、何度も何度も鏡で自分の姿を前や、斜め後ろとチェックしている女性が周りを固めていた
順番待ちにドレッサーが空くのを待っている女性もいるほどだ
というのも、
このトイレにはお化粧をするペースがもうけられている
最近は特にこの有難い綺麗空間が増えてきており、大変助かる
私はその光景を漠然と眺めながら
今から皆お出かけかぁ
デートかなぁ
友達とご飯かなぁ
コンパかなぁ
そんな風に考えながら
鏡越しに自分と周りをみながら
私も髪に手を通し
そして
この中に不倫相手に会いに行く人はどれくらいいるのぉ?
…
“私みたいに”
そう
私は不倫をしている
流行りにどうやら
勝手に乗っかっているようだ
そんなことを考えながら
チェックを終え
トイレの出口の前にある全身鏡で最終確認を終え自信をもって外に出た
私はこの駅から一駅のところのお好み焼き屋さんへ向かっていた
こんなに綺麗な服を着て香水を着けても臭いがつくであろうが、
どうしても食べたくて私からリクエストした
もう付き合って三年になるが
彼とは今でも会うときは緊張する
トキメキながら私は待ち合わせ場所へと向かう
真実とはなにか…
毎回会うまでは
もう二度と会わない
こんなやつ別れてやる
死んだらいいわ
そんなひどい所まで脳内は
いききってしまう
だが冷静になると
もっと私が大人にならなくては
もっと私が受け止めなくちゃ
もっと私が…もっともっと…
と
良い子ちゃんになってみたり
こんな自分に嫌気がさす
いや、さしまくる
そんな事を考えながら
二年の月日がたとうとしている
自己紹介が遅れました
私は33歳
バツイチ子持ちです
いわゆる
〝普通〟の独身ではないのです
私があなたを選ぶとき。 平らかわある里 @YURISAKI7
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。私があなたを選ぶとき。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます