例の二人が帰ってきた

キラ、瑠璃、柊はバラバラになった。

柊だけ水圧と共に飛ばされ気がつくと浜辺に立っていた。

「柊、なにがおこったんだ?」

カメラも気にせず昴が走ってくる。

「撮るんじゃねえよ。」

カメラを睨む。

なにが起きたといわれても柊自信わからない。

ただわかっているのは大切な人達を奪われた……。

「とにかく、ホテルまで行こう。」

まわりに気付き昴も顔を隠す。


さすが一流ホテルだ。

マスコミも中までは追ってこない。

「さらわれた?」

「ごめん。俺がついていたのに。」

握りしめたこぶしが震える。

昴の携帯がなった。

「連絡が取れない。GPSが東京湾てわけわかんねえよ。」

おそらくサヨあたりから連絡が入ったらしい。

「とにかく、晋作達に動いてもらう。なに?わかったすぐ送れ。」

昴が携帯を切る。

そして直ぐに電話する

「誘拐事件だからでれない。なに?相手がたも誘拐事件だって?」

電話を切る

それと同時にパソコンが白く光ったら。

「ウワッなんだ?」

パソコンを開くとそこには黒いベールで顔を隠した人が写し出された。

「幸福を許さない……すべての人々の……処刑してやる。」

ノイズでききとれない。

「お前は誰だ?瑠璃と花音をさらったのはお前か?」

「子供は生かす…………どこかにいる王に伝えるがいい。すべての災いはお前が招いたと…………テレビ局も動いたら日本に災いはまかれる。」

「ふざけんな。」

パソコンはそのまま電源が切れた。


「ワレワレの世界にもいますがその魔物は電磁派を支配出来るんだと思います。」

サイがそう言って石に目を落とす。

「知らない。僕が開けたんじゃないこちらにいる何者かが開けたんだよ。しかもこちらの世界を破壊したから帰れないのさ。」

エル王も昴の炎に焼かれそうになり応える。

「昴さん、とにかくカミュさんの帰りを待ちましょう。」

キラを連れさられた真也は冷静だ。

「東京湾に飛び込めばやつの居場所があるんだろ?」

「おそらく異空間にあるかその者のアジトにテレポートされてる可能性のほうが高いですね。」

魔法の力が使える昴はすぐに探しに行きたいが水の中を泳ぐのは無理だ。

「東京湾て大平洋みたいに広くないよね?」

「まあね。潜水するとなると時間はかかるよ。」

ユーの質問に真也は応え額を押さえてソファーに座込む。

「待っててユーが必ず見つけてみせるよ。ケロップは水は得意だからね。」

ユーはケロップを連れてペトモンの部屋にいる樹里の所に向かった。

樹里はシンバの頭をなでている。

感情を昴のように爆発させることはない樹里だが内心はかなり怒っている。

「樹里、お台場に行ってみよう。ケロップなら見つけられるかも。」

うつむいていた顔をあげる。

「そうだなここでジットしててもしょうがない。この時間なら人もいないだろう。シンバ、行こう俺らも周辺を出きる限り探そう。」

ユーと樹里が出発したころ……


「サクラ、この辺りが怪しいのか?」

昼の時間

タツヤとサクラはある工業地帯にいた。

「この辺から強い魔力を感じるんだけど黒魔術かはわからない。」

今はサクラは人形だ。

二人は公園に遊びにきたカップルのふりをしている。

菜穂が自分が行くといいはったが安静にしなければと強くいって置いてきた。

「まだ人が働いてるから無理か。」

二人が立ちどまったのは工場の前だ。

警備室から警備員がいる

いくらタツヤが有名人でも入るのは無理だろう。

「もう少し周辺を探ってみましょう。」

取りあえず晋作にメールで送っておく。

ここで戦いがおきなきゃいいが…………

セキュウコンビナートに火力発電、ここで戦ったら騒ぎどころではすまないだろう。

サクラとよく話をするタツヤは今回の事件が魔物柄身だろうと思っている。

早くキラと瑠璃を救い出したい……

とにかく自分が調べられる範囲でと思いここに来たのだ。

晋作も兄弟と共に探しているようだ。

魔物となれば情報網が有る蔵元兄弟もお手上げだろう。


夜はさすがに人がいない。

「ユーも来たのか。」

黒いスーツの男性に声をかけられる。

「晋作さんも来たんですね。」

いつもは派手な着物なので気づかなかったユーはため息つく。

「ドラゴンとリョウ兄貴に行ってもらってる。」

ユーもケロップを水にはなつ。

「潜水服あればな、ユーも泳ぐんだけど。」

さすがに春の海に潜水服無しは無理だ。

「頼んでやろうか?」

「あるんですか?」

「ああちょっと時間はかかるけどな。」

まだ水ぎわにいたケロップを捕まえる。

「ここは晋作さんにまかせて俺らは千葉のほうに行ってみよう。」

樹里の案で潜水服を貰って行くことにする。

それぞれが動く。


タツヤとサクラは例の工場にもどった。

「警備に見つからないように気を付けよう。」

夜の工場は不気味だ。

夜目のきくサクラに先をいかせて進んでいく。

「なんだこれは?」

壁が不気味に光っていた。

「誰かがここに入り口を開いたのね。タツヤ、私の手を離さないで。」

壁にサクラが手をふれると吸い込まれる。

二人が中に入ると壁の光は消えた。


「魔術の力が動いている場所はわかったんだがやつの住みかかはわからないらしいです。」

サイの言葉に柊が顔をあげる。

「どこだ?」

「これは東京じゃ有りませんね。」

カミュのいる場所は神奈川だ。

「遠いけど飛ばせば行けるかな。」

トシヤがいう前に昴は車のキーを持っていた。

「この場所ならテレポート出来そうです。」

二人はサイの手をにぎる。

「ワッウルフかみつかないで。」

トシヤが騒いでいるうちに二人の視界はグルグルまわりきがつくと真っ暗な空間にいた。

「ここは?江ノ島?」

遠くに外灯が光っている。

「あそこか。」

洞くつが光っている。

その前に人影が見える。

ウルフが走りだし昴とトシヤも走りだす。

足が濡れるが気にせず走り洞くつにつくとカミュが立っていた。

「気が動いている。二人は下がっていろ。」

光がゆれて弾けるように輝きだした。

バシャーン!

突風で三人は海に飛ばされた。

「ウワッ!」

まぬけな悲鳴がきこえた。


ケロップの後に続いて海に潜るうちにユーは輝きを見つけた。

それは瑠璃が姫から貰った首飾りだった。

『魔力の残がいだけ。ここにはいない。』

ケロップの声がきこえた。

真っ暗な海の中にたまに魚が動くのが見える。

シュッ!

ユーの横を何かが通り足を引っ張られる。

ケロップのカギヅメがそれを切る。

巨大なミミズのようなものだ。

『魔物だとにかく逃げよう。大群がきたらワレワレはやられる。』

ユーはとにかく浮かびあがるために泳ぐ後から後からくるミミズを払いながら樹里の待つ浜辺に戻るとそこにはナイフ一つで戦う樹里がいた。

「樹里、ケロップいって!」

潜水服を脱ぎ捨てたころには樹里は消えそこにはグッタリしたケロップだけがいた。

「とにかく、晋作さんに連絡だ。」

ケロップを抱え車のそばに行く。

戦えないことはユーにはわかっている。

樹里まで…………

髪の長い女性だった。

顔は見えなかったが…………


「まったくお前らは大人しくしてられないのか?」

ビショビショのカミュの前には赤毛の少年と金髪の少年がいる。

「もんくあるならヒディーに言え。エホッエホッ!」

水をペッペッと吐き出しながら赤毛の少年、ユーキスが言う。

「文句は後、やっぱり来たよ。兄上、ユーキスの補助を頼みます。」

海からでっかいクモのようなものがはいあがってくる。

「あいつがキラと瑠璃と花音をさらったのか。くそーゆるさねえ。」

走りだしそうな昴をユーが止める。

「あいつは人を食うんだ。」

昴がくずれ落ちる。

ウルフが走りだし猛烈なタックルをかます。

「安心してあいつな何もこちらでは食ってないよ。」

ユーリが剣をかげると金色のつぶが舞う。

「こいつは自分でこちらにはこれないはずだぞ。誰かが闇の空間を開いたな。だいじょうぶだあいつぐらいならユーキスが倒せる。他にはいないよな?」

「わからない。ヒディーが詮索に言ったよ。」

カミュにユーリが怒鳴り返す。

戦闘が始まる

ユーキスの炎が舞う……


水の中の生き物ではない鳥が襲ってくる。

ユーはていこうするがつつかれ血が流れている。

鳥に殺される……

ズドーン、雷が落ちてユーは車と共に飛ばされる。

「やりすぎちまった。少年、背にのってしっかり捕まりな。おうお前は休んでな。」

頭にケロップが乗る

龍?

赤い鬣に輝く鱗には赤で美しい模様が入っている。

「ダーよがあけちまう。めんどくせえ。」

ドドーン水柱があがり巨大なミミズ達が炎に鳥と共に焼けて行く。

ユーは顔をふせ鬣に顔をうめた。

「ああダメだ。とにかく待ち合わせ場所に行くか。」

風が耳もとでなる

寒さが身にしみる

衝撃があり顔をあげるとユーは見なれた牧場にいた。

「なんだ?あんただれよ?」

髪もバサバサの牧場の主が走ってきた。

「すまん事情は後で話す。少年を頼む。」

隣いた男は消えた。


「それは保証出きるんだなユーキス?」

腕の傷に包帯をまきながらカミュが言う。

「できる。俺たちはあっちの世界からあいつを追っかけてきたんだから。」

ローゼンが葉っぱをどさりとテーブルに置く。

「ユーキス、あんたいい男になったね。」

ピリピリした空気の中でのんきなことをいっているのはサチ、ユーキス達が待ち合わせにした牧場の管理人である。

「僕は気配の残がいを見つけただけど例の建物の異空間の穴がたぶん今回の事件を起こしたやつじゃないかな。」

机にこしかけたローゼンを昴がつまみ上げる。

「なんで確認してこねえんだ。」

なきはらしているので迫力がました昴の顔にローゼンは肩をすくめる。

「僕が見つけたのは痕跡で開いては居なかったんだよ。人がいた形跡もあったなあ。また誰かさらわれたのかも。羽をもたないでよ痛いな。」

昴が投げるようにローゼンを置きその場に倒れる。

「ユーたぶん犯人みたよ。女だった、そいつが樹里と戦っていたんだ。樹里もつれていかれたけど。」

肩をおとすユーの膝にウルフが乗ってなめる。

「もしかして、ルー達の他にもさらわれてるのかな?」

トシヤが言う。

「可能性はあるけど。やっぱりユー達が知る魔物の仕業じゃないよ。何だろう嫌なものにはかわりないけど…………」

「人間てことはあり得ないだろ。」

ユーが持って来た石を調べていたユーリがうなる。

「前に、ネオスの王宮が黒魔術を操るやつに支配されたでしょ。あの時、お祖父様から感じた感じに近い。」

ユーリのせりふにカミュが顔をしかめる。

「あぶないな。とくに都会がああなったら戦争がおきるぞ。」

せっ戦争とユーがつぶやく。

「姫もカノチャンもキラキラも無事だといいけど。」

能天気なサチもあおざめる

「ヒディーもいるしだいじょうぶ。」

ユーキスがいいきった。

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