結局なにごともない……
ペトモン達の小屋をエル王の専用にした。
「サクラとトッポが散策に行ったよ。あとは晋作達が動くてさ。」
タツヤさんがそう言って銀色のトランクをテーブルに置く。
「フォークとフェニックスは東京周辺のせんさく。一応なんなもいまのところ反応しないよ。」
トシヤさん二羽のみだが意志疎通が出来るんだとか。
サイさんが作った魔力探知機みたいのを二羽につけている。
「まずは歪みをさがさなければならないんですが時間かかりそうですね。あのエルという者は頼りにならない。」
サイさんがうむとうなる。
「この世界には神という者がいるらしい。交信が出来れば見つけやすいと思うが?」
「その交信が出来そう出来ないんですよね。私はエメと違ってそちらは苦手で。」
神様ているのかな?
神社とかお寺とかあるけど、日本てこれていった神様ていない気がする。
「俺も苦手だ。リィー様のお声すら俺にはわからないからな。戦闘と拷問は得意だけどな。」
おっかないからとランプに腰かけていたローゼンが肩をすくめる。
学園の方針を変えて横浜のみとなった。
「私は事務所に力をいれたい引き受けてくれるならありがたいけど、あんたもバンドあるでしょ?」
ショートカットにメガネの女性はアゲハさん、横浜を引き受けている福学園長だ。
「うちはそんなにいそがしくないから今は問題ないよ。」
真也が学園長代理になると言う話だ。
補佐をやっていたギンサンが会計係りでてがいっぱいだからと代理を退いた。
『ガイヤ』は海外進出もするので昴さんは学園管理は無理らしい。
「それならいいけど大変だよ。今回の騒ぎでイロイロとフォローが必要だからさ。」
うちの学園は大半がお嬢様、お坊っちゃまなので親も出てきてパニックになっているらしい。
「面倒なクレーム対策はサヨに任せとけばだいじょうぶ。これからの方針や学舎としての運営を考えるのが課題かな。」
トシさんがそういってパソコンを置く。
「何とかするよ。」
ほんとにだいじょうぶかしら?
私は引き続き特別学級らしい。
リコは学校を辞めて聖さんのとこに弟子いりするらしい。
これから大変そう。
サクラの蕾がうっすらと色づきはじめた。
私は高等部になんとか進級
カナは受験して都内の高校に入学したらしい。
リコもカナもそれぞれの未知へ進んで行った。
騒ぎが嘘のように静かな時間が流れて行く。
エル王はまだ居座っているが私達とかかわりもたないようにしているようだ。
ペトモンのサクラの話だと
エル王のおさめる国はエル王以外に人間はいないのだとか。
魔物が出たとかゼンゼンきかない
「うざい。あのガキはなんで国に帰らないんだ。」
カミュさんが乱暴にパイプを置く。
「怪しいよね。もしかしたら征服をたくらんでいるとか?」
「だとしたらあいつを消すまでだ。」
ローゼンが肩をすくめる。
「カミュ王子の束縛を解けないならたいした力はなさそうですよね。」
サイさんが本を閉じる。
新学期がはじまったと言っても通信なので授業はかぎられている。
「キラキラ、昴がショッピング連れていってくれるって。」
私は授業が……
めずらしい昴さんがショッピングなんて。
「勉強なんて後々、キラキラ来てくれないとダメなの。」
瑠璃ちゃんめずらしくだだをこねる。
ほぼ強制的に私も行くはめになった。
「イロイロ打合せするんだ。その後の食事会に瑠璃と花音を連れて行こうと思ったんだけど瑠璃がショッピングしたいってきかなくてさ。」
昴さんが苦笑している。
「菜穂ちゃんは安定期までお出掛け禁止なの。」
タツヤさんが急遽サクラだけ連れてアゲハさんの所に言った理由てそう言うことだったのか。
「花音に妹できるな。瑠璃もおばさんか。」
瑠璃ちゃん、菜穂ちゃんはトシさんに姉妹のように育てられたらしい。
「おばさんじゃなくてお姉さん。キラキラも赤ちゃんつくったら?」
「まだ早いよ。」
いくらなんでも高校生でそれは……て瑠璃ちゃん実は18才なんだよね。
昴は犯罪者とトシさんが嘆いていた。
「トシニイてむくわれないよね。瑠璃は菜穂ちゃんはトシニイの嫁になると思ったのに。」
どうやら私が来る前にイロイロあったようだ。
「あいつは付き合ってるやついるからいいんだよ。ただ相手が一般人だから公に出来ないけどな。」
トシさんて彼女いたんだ
帰ってきたら書類やパソコンとにらめっこしてるイメージが強いけど。
「エーそうなの?紹介してくれれば良いのに。」
瑠璃ちゃんがなぜかぶーたれる。
「タイミング会えば会えるさ。社長の書物の相方だからな。」
どんな人なんだろう?
あのパワフルなアゲハさんと一緒に仕事をしてるって。
車は都内に入ったようだ。
久しぶりのビル群、私もしばらく来てなかったな。
この町のどこかに私の両親はいる…………。
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