鳥使いの王様?

「うまい。ヤッパリ一流の味だね。」

キラキラと光を放つ花たち

ここだけファンタジーな世界だ

その風景を台無しにしそうなぐらい料理にガッツく双子

確かにカナの兄さん達が作ったイタリアンは美味しい。

「アーン、美味しいかそうかそうか。」

瑠璃ちゃんの隣で自分の食事そっちのけでかのちゃんにご飯あげている昴さん。

それを見て笑いが止まらなくなった葉月とシンヤは食事がすすまない。

「なんで笑ってるんだ?ハイハイ、アーン。」

これが『ガイヤ』の暴れん坊ドラムの姿…………ファンが見たら騒ぎがおきそうだ。


「天使がいたんだけど。」

かのちゃんの寝かしつけで散歩してた瑠璃ちゃんが言う。

「天使?まぢで俺も見に行こ。」

昴さんが立ちあがりシンヤに引っ張られて私も行くはめに。


フワフワのウェーブのかかった髪

ととのった白い顔

まわりには小鳥達が集まっている

「なに?僕は見せ物じゃないんだけど。」

天使のような少年が冷やかに言った。


「すいません。エル様はこちらの世界をまだ知らないので。」

頭を下げる金髪の男性

ゲテナと名乗ったこの人は異世界から来たらしい。

「これから僕はここに住む。すぐに住居を建てろ。」

エル様と言う少年のごう慢な態度に昴さんがきれた。

「どこかの金持ちの息子なんだろうけどな礼儀を知らないの?ここは僕の家の庭なんだけど。」

頬がひきつってる。

美月が肩をすくめる

「ああ君はここの王様か、下僕みたいな格好だから気づかなかったよ。」

シンヤと葉月が止めなければ昴さんがつかみかかったとこだ。

「ご無礼をお許しください。」

昴さんが何か考えて

シンヤに何か耳打ちする

「ここは王族しか入ることができない庭、この庭に立ち入ったものは何人とも許されない。侵入者は牢獄に連れて行かれる。」

エーなにいってるのシンヤ?

「お許しください。すぐに出ていきます。」

ゲテナが土下座するがエル少年はため息ついた。

「国の滅びを知らせにワザワザ異界から来た者を牢獄に送るの?」

「滅ぼす?」

いい争いになりそうなどこでバサバサと音がして鷹がエル少年を襲った。

「フォーク?なんでここに、だいじょうぶ?」

トシさんが来て襲った鷹を腕に乗せる。

「あれ?ゲテナさん?」

ゲテナさんがいた所で首と尾に金色の羽があるカラスが気絶していた。

これ、ゲテナさん?

カアーカアー!

カラスだけど…………

「ヤバイ、とにかくサヨに電話。葉月、この子を屋敷に運んで。」

状況を知らないトシヤさんのあわってっぷりにシンヤと葉月は肩をすくめる。

「弱っちいやつだな。」

葉月がおんぶする。

フォークはトシヤさんの腕の上でなにくわぬ顔で羽繕いしていた。

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