さらにパニック大騒ぎ

「キラちゃん。」

可愛らしい声にどこから声がしたのかとキョロキョロする。

「私よポッキー!」

イスの上にハトがいる顔から首が白くて胴が茶色のハトは例のバードスペースにいたこだ。

まわりを見て気付く小鳥たちがあちこちいる。

「ポッキー、あんたどうしてここにいるの?」

「この人に導かれて付いていったの。逃げて迷子で戻ってきたのもいるけど私とトッポは着いてきたのよ。」

しゃべってるよね?

私、鳥語はわからないもの。

「驚いた? 私とトッポはしゃべれるようになったの。」

なんかどっかのファンタジーに出てきそうな展開て今更だよね。

動物の言葉がわかる少女と物の声が聞こえる男さらにしゃべるウサギ、これだけでも充分、非現実的だし。

先程の姫様が入ってくると小鳥たちは一斉に姫様に寄って行く。

「病気なのか?」

「お二人は私達の世界を作り出したリィー様の声を聴くのがお役目なのです。あんな濁った気を発した人間が城内にいては特に姫は体調も崩されます。私も困っているのです。あの者達は城にある物を勝手に持ち出し城内に居座る。私が一掃しても良いのですが、この世界を知るユーキスがそれは辞めたほうがいいと。」

先程の男性が入ってくる。

「それは礼儀知らずだな。俺もいきなり建物が消えて困っているんだ。エディさんもとの建物を戻せるのか?」

「建物?それがどこにあるかわかれば可能ですが。それはユーリにきいて見ましょう。そもそもこうなったのもあの彼のせいですし。」

あのウサギがこの騒ぎの原因らしい。


カミュさんもウサギもソロッたところで話が始まる。

「兄上もカラーも不在で飛ばされたとなればあちらも今頃大騒ぎになってるぞ。俺はソラを探して『マホロボ』の森の中に歩いてたらいきなり赤い建物が降ってきてそのまま空間の歪みに落ちたんだ。」

カミュールさんがエメさんが差し出した盃からお酒を飲みながらこたえる。

「なぜそのような事態に?」

「ユーキスが呼び寄せでて言うから呼び寄せたらなんか建物が降ってきちゃって………ごめんなさい。」

ウサギがしゅんとうつむく。

「ユーリ、あなたは日頃から初歩の魔法も間違えるのにそんな高度の魔法使うから行けないんです。『マホロボ』は最近、闇の時が長いんでこちらのお城が危険です。」

ヤップル達は無事かしら?

「それは心配ないですよエディさん建物内に何故か闇の者が入れないから、住民達はかえって助かってますよ。こちらの王様方にはご迷惑おかけして申し訳ございません。」

赤い目の少年たしかヒグレて呼ばれてたな謝る。

「闇の者て悪いやつなのか?」

「はい、闇の者は残酷なのです。私達が暮らすネオス王国はまだそんなに被害は出ていないのですが、『マホロボ』のあるネプチューン王国は被害を受けてシティが支配され荒れています。最近、『ダビデ』に闇の炎が放たれ滅ぼされたとか。」

昴さんの質問にヒグレさんが顔に恐怖をうかべながらこたえる。

「ユーリ達は『ダークナイト』の手伝いするために『マホロボ』に行くことになって………」

「兄上もなにも魔法音痴のユーリを送らなくてもいいのにしかもあの飛ぶのがジグザグペガサスに乗せて。」

カミュさんが肩をすくめる。

「悪いやつから『マホロボ』てとこの人々が逃げれて生きていけるならいいよ返さないで。機材も衣装もいくらでも補充出来るしな。どうせ廃墟かしてたんだし。」

動物達が住んでいたこと昴さん知らなかったのかな?

「私もあそこにいたいわ。みんな幸せよ中にいる人々は優しいの私達にも食べ物わけてくれるのよ。」

ポッキーがそう言って昴さんがポッキーをまじまじ見つめる。

「お前しゃべった?」

無視される………まああそこの子達て飼主の勝手で捨てられたり虐待されたこが大半だったからな。

幸せならいいかな、臨時収入の稼ぎ方は考えればいいし。

「お城はユーキスのせいだけど、あいつ逃げたな。」

氷の入った袋をおでこにあてたカリンと呼ばれた少年がつぶやく。

「すべてユーキスのせいだし。ユーリだってウサギのままなんてまっぴらごめんだよ。」

ウサギを見てカリンは笑いだす。

「後で戻すよユーリ。なんかやな予感がするな。」

ヒグレさんのつぶやく。

「昴、てなんだこれ?」

トシヤさんがいきなり入ってきて中の状況に驚く。

「それより大変だよ。お城に入った人が変な虫に刺されてパニック状態だよ。サヨが対処しきれないってなげいてるよ。」

ヒグレとカリンが顔をみあわせる。

「ヒグレ、行こう。あの人間は気にくわないけどこの世界でこれ以上騒ぎをおこすのは良くないよ。」

二人が飛び出していく。

「私は医術の心得あります。お手伝いしましょう。」

エメさんもたちあがった。


なにこれ?

患者から取り出されたという虫を見て絶句、ハチのような容貌だけど巨大な牙があるし。

「いっけん落着じゃないか。」

昴さんとエディさんに怒られた赤毛の少年は頭をさすりながら言う。

「いっけん落着じゃないですよ。貴重なリラの木が大変なことになりました。おなくなりになる方がいなかっただけでも救いですが。」

エディさんはカンカンだ。

「おどそうと思っただけで………」

「脅しじゃすみませんビーがどれだけ危険な魔物かわかってますよね?」

「まさか巣ごと召喚されるなんて思わなかったんだよ。」

エディさんににらまれ肩をすくめる。

「ユーキスくんあなたはこちらにいたことがあるんですから魔力の不安定はわかっているでしょ。しかもお城を壊すなんてまったく。」

私はトシヤさんと二人でテラスにでた。

「ああ、あんだけお金ぶんどられて記憶喪失てきのどくだな。」

被害者達はカリンさんの記憶を消す魔法でここでの記憶は消されたらしい。

「だいじょうぶあの人らには痛くない金額だからね。」

新聞読んでいたサヨさんが応える。

異世界人さんが居候してるけどまあ落ちつきそうかな………。

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