異世界の人は美男、美女ばかり

案内されたのは山のほうにある倉庫だ。

見た目はレンガもボロボロ、綺麗な異世界のかたにはにあわない場所だ。

「じゃあほんとに魔法が使えるのか?」

昴さんの声がするけど………なんか古い見かけに不釣り合いな美しいタペストリーが下がっていてその前でワイグラス持った昴さんと銀色の髪に高い鼻、長いまつげの綺麗な人が座っていた。

絵になる、隠し撮りしちゃったあ。

「おもしろいですね?ちょっと貸してください。」

エメさん携帯をシゲシゲと見て首をかしげる。

「魂のこもっていないものだ。あそこのお城にあったもののほうが美しい。」

城て学園のことみたいだけど………あんな骨董品店になるほど物あったんだ。

「エメどの仕事は終わったのかい?」

「まだまだやりがいはありますけどこちらの美しい姫にこのような事態になった理由をちゃんとお聞かせしなくてはと思い連れて参りました。おや、空が輝いている闇の世界なのに美しい。 エディーラ様、ユーキス王子を見ませんでしたか?ユーキス王子だけお姿が見えないのですが。」

「ユーキスは心配ないよこちらに何回か留学経験があるから。それはちょっと酷い臭いです。よろしければこちらをお吸いになりませんか?ネプチューンの大臣奥さまお手製のこちらでいえばタバコです。」

タバコに火をつけた昴さんが慌てて消す。

「タバコていうよりハーブ嗅いでるみたいだけど不思議な風味だな。」

自分は石で出来たパイプをとり出し吸い始める。

「オレンジフラワーと特別なリラの葉、ギボンを使っています。オレンジフラワーは内なる傷によくきき、リラは疲れを癒し魔力をたかめ、ギボンはどんな病にもきくといわれている不思議な香木です。気にいっていただけましたか?」

「なんか首痛かったの治ったかも!」

イヤイヤすぐにはきかないでしょ。

「お詫びといってはなんですが差し上げましょう。行き詰まったり苦しい時に吸ってください。ティリー、机の上の私のマントを持ってきてくれ。」

男性の膝の金色の塊が動いた。

羽を広げる、鳳凰?

タペストリーをゆらし中に入っていく。タペストリーがめくれたときにツンとしたニッキのような臭いが強くした。

タペストリーが上がって出てきた双子をみてまた言葉を失う。

右は銀色の左は緑の目に銀色の髪に鈴をつけている。

そっくりだけど金色の刺繍の入ったスカートをはいた女の子がこがらだ。

「エディーラ、ここはどこ?」

「クイル様、ちょっとした事故がありまして。異世界にきてしまったのです。お加減はいかがですか?」

「僕はだいじょうぶだよ。クリスもせきは止まったよ。」

辺りを不安そうに見ている。

「エディさんの子供?」

「違いますよ末王子と姫です。お二人は前妃様のおこです。」

姫のほうは王子にしっかりしがみついている。

「ありがとうティリー。これを差し上げます。」

綺麗な青色の袋ごとさしだす。

「貴重な物を良いのですか?」

「またたくさんいただくので遠慮なく受け取ってください。」

昴さんは袋をほほにあてている。

「姫ぎみを立たせっぱなしだ。エメ中に入って姫におもてなしをお願いします。カミュール王子も間もなくくるでしょう。」

それにしてもファンタジーに出てきそうな人達だ。

「王子も姫もはいりましょう。」

中に入り驚いた、壁には様々な鉱石が埋め込まれている。

アーティークな家具が並び倉庫と思えない場所になっていた。

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