異世界からイロイロやってきた!

空からウサギが降ってきた?

『ブラッドムーン』のツアー前に衣装の見直しを親友のカナが部長の被服部、デザイナーの聖さん達とやってヘトヘトに疲れた。

期末試験が早めに終わっても夏休みまでがバタバタだ。

学園の被服部は部活というより聖さん『ガイア』の衣装担当者の工房なのだ。

ほとんどは生徒より働きにきたベテランのおば様達が仕切っている。

今回は特別に『ブラッドムーン』の衣装作りもくわわりさらに特注が爆発てきに増えて大忙しらしい。



「違う、ユーそこはもっと高く、ハヅキうるさいもっと軽く。」

古い体育館はスタジオに早変りで真也が怒鳴りまくっている。

向かいの二階バルコニーからトシさんと昴さんが眺めている。

「ダダダてやる方がカッコいいじゃんか。」

葉月がブーたれている。

葉月、美月の双子は私と同じ14歳、10歳までは海外にいたらしい。

普段は学校の通称ホーリークラブで迷惑ばかりかけているが

音楽をやらせるとすごい

先輩である昴さんも認めるほどのうでまえらしい。


「キラキラお疲れ様!」

美月の声で真也が振り向く。

「練習お疲れ様、龍馬さんが出発するとき連絡してだって。」

学園の建物がある所沢は 奥多摩湖に突き出た岬みたなとこで今は島のようになっているので移動手段は船のほうが楽なのだ。

竜馬さんは、カナの兄さんで勉強しながら船頭をしている。

「キラ、今回のバラードきいて。最高の出来なんだ。」

帰ろうと思ったらつかまった。

いつものことだけど

新曲できたらキイテキイテと子供のように目を輝かせてシンヤは来る。

♪…………Skyblue

空に描くよ君の名前

どんなに離れていても

Skyblue

この空の下で僕と君は一つだよ

飛行機雲みたいに君に繋がる

…………♪

綺麗な曲だ……。


日が暮れるころみんなで移動することになった。

「アリニイが荷物の手配は済ませていつものとこにみなさんの荷物あります。そのまえに『盆栽屋敷』で衣装の最終チェックお願いします。」

龍馬さんの伝言ききながらカスミさんとスケジュールを確認している真也の横を歩く。

ギエエー!

いきなり聞こえた悲鳴にみんなおどろく。

「なんだ?鳥?」

ウッヒャー!

ドカーン!

「ゆっユーさんだいじょうぶ?」

美月が何かがあたって見事に転倒したユーくんを助けおこし真也が白い物をつかむ。

「ウサギ?」

「ウサギって空とばないよね。」

当たり前でしょ………

「キラこいつは任せた。」

一緒に移動して都内にでる予定がウサギを看病するはめになってしまった。

なんでウサギが降ってくるの?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る