第8話

「うわぁ、、、」


私は声をあげた。

すごく広い部屋だった。私の泊まってる部屋よりは2つくらい上のランクだと思った。

私は部屋の中をあちこち見て回った


「ほら、亜樹」


みちはカーテンを開けた


「わ、、ぁ、、、」


目の前に、さっきとは違う東京が現れた。


「なにか、のむ?」

後ろからみちが声を投げた

「これ以上飲むと眠っちゃう」

私は窓を見たまま答えた

「それは困るな」

みちは言いながらなにか用意した

「お水、飲む?」

カラン、と氷の良い音がして、みちが隣りに立った。グラスをくれた。

ひんやり冷たい水を飲んだ。おいしかった


「亜樹だけの夜景だよ、、」


ふっ、と、みちが後ろから私を抱いた。

みちの手が、私のお腹の前で合わさった。

耳元に、みちの吐息を感じた。

私はグラスを持ったまま、夜景を眺めた。


「大好きだよ。亜樹、、」

だいすきだよ、、、なんてまっすぐな言葉だろう。


水を飲む。

こくん。


「ねえ、みち、」

「ん?」

耳元に返事が響く

「この部屋、みちが泊まるためにとったの?いつのまに?」

「えっ?ああ、その、、、」

さっきのムーディーなみちがいなくなった


くすくす、私は抱かれたまま笑う

「今日は、終電なくなってもいいように、亜樹を迎えに行く前に、とっておいたんだ。近くにいられたらいいなって」


「そーなんだ、、、。

じゃあ、なんでダブルベッドなの?」


「いや、それは、その、、、」


「最初っからそのつもり、だったんだ、、、」


「、、、ごめん、その、気を悪くしたなら謝ります。ほんと、ごめん。」


私は黙った


「、、、忘れられたくなかったんだ。覚えててほしかったんだ。亜樹に。俺のこと。うまくいくかとか、そんなことわからなかったけど、亜樹に喜んでもらいたくて、色々、、確かに、小細工じみたこと、色々、、、した。

こーなればいいな、と思ってたよ。うん。ごめん。」


「それで、ホテルの部屋とって、夜景の見えるバーを予約して、、、?」


「うん。ごめん。」


私は、グラスを置いてみちの手をそっとほどいた。

するり、とみちは手を私の身体から離す。

私はくるりと振り返り、みちと向かい合った。


みちは捨てられた子犬のような目をして私を見た。

私は口を尖らせてみちを見た。


「バカ、、、」


みちの目が、ごめん、と言った。


5秒、時が流れた。


「おかげで、こんなに好きになっちゃったじゃない、、、」


私はみちの首に手を回し、抱きつきながらみちにキスをした。


みちは、驚いたように私の腰を抱いて、私の唇を吸った。


「ごめん。」


なぜがみちが謝った。


「バカ」


キスをしながら言う。


ぎゅううっと抱きしめ合いながらのキス。

長い長いキス。


どさり、と私の身体はベッドに倒された。

スカートが太ももまでめくれた。


「待って。だめ、シャワー浴びさせて。」

「ああ。うん。そだね。洋服も、きちんとかけておいた方がいいね」


2人は一度離れた


「こっち見ないでよ」


私は言う。


「え。だめなの?」


みちが言った。

くすくすと、笑った。

私はバスローブを着て、先にシャワーを浴びた。

次に、みちがシャワーに行った。


私は、バスローブを脱いでベッドに入った。部屋の電気は消した。

カーテンは開けたままにした。

シャワーの音が止まり、ドアが開いた。


「あれ。」


みちがつぶやいて、ベッドの脇に立った。

みちはバスローブを脱いでベッドに入ってきた

カーテンは閉めなかった


「ねえ、みち」

「ん?」

「今日、私、酔ってるみたい。」

「知ってるよ。おれが、こうしたくて、亜樹を酔わせたんだよ。」

「そっか。それでか。じゃあ、みちのせい、だね」

「そう。亜樹は悪くないよ」

「安心した。ありがとう。あと、ごめん。」

「こちらこそ、ありがとう。大好きだよ。」


こくん、と頷いて、私はみちに抱かれた。

柔らかくて温かいベッドの中で、絡まり合うように抱かれ、私とみちはほぼ同時に思いを果たした。


みちの腕に抱かれ、夜景を見た。

宮崎に出張の時は必ず連絡する、とみちは言った。

少し怖い。私は正直に言った。

うん。そうだね。みちは言った。


沈黙が流れた。


「今日はここにいる?」

「ううん、朝忙しくなるから、夜のうちに私の部屋に帰りたい」

「そうだね。送ってく。明日の朝食一緒に食べよう」

「いいね。7時に、私のホテルでどう?」

「賛成。電話して。」

「うん。ねえみち、私が帰ったら、エッチなビデオとか見るんでしょ?」

「えー? うーんそうだなー。まあ、1人の醍醐味といえばそうだなあ。見るかな。久しぶりに」

「あー。変なことするつもりだな?そーいうときは嘘でも、見ないよ、亜樹のことを思い出してるよとか言ってよねー」

「あ、ああ、ごめん、ついホントのことを言ってしまった」


ふふふ、と2人笑った


「だめー、許さないもん。見たくならないようにしてやる!」


そう言うと私は布団の中にもぐりこみ、みちの足の間を目指した。


「ちょ、こら亜樹、待てって、ちょ、ねえってば、、、」


私はかまわず、みちのモノを愛おしく撫でた。

みちはおとなしくなった。あぁ、とか声が聞こえた。

みちが、大きくなってきた。


ばさり、と布団がめくられ、私はみちと目が合った


「いけない子だな」


みちはそう言うと、掛け布団のないベッドの上で、再び私を抱いた。


さっきより長く、愛し合った

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