のみすぎと移し実の術
淡い光がハヤグイなんとかの体を包み込む…!
「お…おぉぅ///」
なぜそこで妙に艶のある声を出す…場にいた全員がそう思った。
言葉には出さないが空気で分かる。空気を読む力ってやつだ。
なぜならここは島国だからな!
艶めかしいイケメンボイスに気を取られている横で、脂汗をかきながら腹を押さえて猛烈に転がりだす者がいた。レントオール氏だ。正直今までいることを忘れかけていたが、呻き声で思い出した。痛すぎるのか、彼の口から放たれる音は最早言葉にはなっていない。
「おい、大丈夫か!?」
恰好以外はまともな忍者がレントオール氏に駆け寄って気遣う。
「ハゲマント殿、もしや…」
「アニサキスごとうつしてみた。これぞまさに移し実の術。」
「うまいこと言ったつもりかケロ…。」
「非戦闘員だからいいかなって思って★大丈夫、人間の病院は開いてる…急いで!」
「「「「そういう問題じゃねぇ!」」」
その場にいた全員が突っ込んだ。
内容物を転送魔法で外に出せばいいじゃないかという声が聞こえた気もしたが、同じ環境に転送するほうがMPの消費が少なくて済むので敢えて行ったのだった。
「ほら、ダンジョンという何が起こるか分からない環境下でMPの節約は大切なことでしょ!」とごり押しして事なきを得たが、少ない労力で最大のリターンを。
これがビジネスの基本だ。とは口が裂けても私は言えなかった。
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