のみすぎと転送魔法
のたうち回る違法の存在を遠い目で眺めながら私は、しもべちゃんを齧られてしょげている健さんに話しかけた。
「そういやさぁ、私新技開発したんだけど。」
「なんですかのみすぎ殿。」
「私ね、新技開発したんだけど。」
健さんは一瞬出た全く聞く気のない顔をなんとか取り繕って
「教えてくだされ」と笑顔で応えてくれた。
隠しきれなかった表情を見てしまい内心ムッとはしたけど、流石大人だとも思ったので気を取り直して健さんに話すことにした。
「転送魔法。」
「BBAでもそこそこ使えそうな術だケロな。どれ魔術の才能に溢れた俺様が直々に検分してやるでケロ。女よ、泥船にのった気持ちで来るケロ!」
勝手に会話に入ってきて、ここぞとばかりにドヤ顔をキメるヒキニートが心底ウザかったので
「じゃ、お言葉に甘えて。転送!」
魔法の実験台になって貰うことにした。
私の中の魔力が全身を巡り、丹田に収束していくのがわかる…うぉぉぉぉ!!
「全く何も起きないではないですかのみすぎ殿。」
仕事で昔使っていたものの応用なので、そんなはずはないのだが。
「うぉぉぉぉぉ、俺様の腹に異様な便意が押し寄せたでケロ…!」
ヒキニートは腹を押さえて苦しみだした。
「とりあえず私の腹の中身を転送した。」
「要はうんこですな。(効果も含めて)」
腹の肉でなかったことを喜んでください!という言葉は思いっきりスルーされた。
「汚い魔法だなぁ」
汚い忍びが何を言うのか。
散々disられ、もう破れかぶれになった私は、相変わらずのたうち回っている違法の存在に声をかけた。
「おい、ハヤグイなんとか!」
「なんだ俺は腹痛で忙しいんだ。貴様らなぞには用は無い。」
「その腹痛直してあげようか。」
「なん…だと?」
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