のみすぎと古代の封印
全裸忍者を追って私たちが隣の部屋に入ると、そこにはマスカット色に点滅するモノリス…もとい、ぬりかべ的な何かと、物凄い速さで反復横跳びをする肌色の男がいた。
この部屋だけなぜか明るかったので、本当に最悪な絵面とこんにちはしてしまった。
「ところでこの部屋、何か様子が違いますな。」
健さんが顎髭を撫でながら壁の模様を眺めている。
「健さんあんまり近づかない方がいいって。」
「ほうほうこれは…」
「ぬぉぉ、壁がヌルって!」
言ったそばから…と言おうとして振り向くと、手をヌルヌルにさせながらレントオール氏が震えている。
「ふむ。これは古代の封印だケロな。塗りこめた生物の脂肪が壁から浮き出てるだけ
でケロよ。蝋と一緒だケロ。大したことないでケロ。」
魔族基準からは大したことないんだろうよ。
思わず白目になった。
「誰か、誰かタオルを…!」
レントオール氏が真っ青な顔をしながら騒いでいる、当然といえば当然だ。
ハンカチしかないですが、とそっと渡してあげた。
めちゃめちゃ感謝された。
「しかしヒキニート殿、封印とおっしゃってましたが、ここには何が封印されていたんですかの?」
もっともな質問が健さんから出る。
「そ、それはケロ…」
「私だ。」
向こうの方からイケメンボイスが聞こえ、全員が声の方向を一斉に向くと
さっきのぬりかべが目の前に浮いていた。
「私の名は、ハヤグイ・ガシュミダ。お前たちの先祖からは『違法の存在』と呼ばれている者だ。」
違法の存在って…お前、古代からなにやってんだよ。
そう思ったのは、私だけではない、はず。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます