のみすぎと健さんのしもべちゃん

全裸忍者に抱きかかえられてムスっとしているヒキニートを放置し、健さんの方を見る。健さんはもごもごと呪文らしきものをつぶやいた後、こう言った。

「わしのしもべちゃんよ。その素敵な姿を見せておくれ。」


ホブゴブリンの周りにある幾つかの穴の中から、白っぽい色をした何かがシュルっと飛び出てきた。辺りがほんのりと磯臭くなる。


この感じ、知ってるこの…

「イカじゃん。」

間髪入れずに忍者がコメントを入れた。

「そうだね。」

イカの脚だけが穴から飛び出してウネウネとしていた。

どう見ても異様な光景だった。

「これがわしの可愛いしもべちゃんじゃ。」

健さんは嬉しそうだ。

つまりはこうだ。

穴があるところであればどこでもイカを召喚できるというわけだな。

でも体が一向に出てこないのはなぜだろう。

「健さん、体の部分はこないの?」

「わしのしもべちゃんは恥ずかしがり屋さんでの…自信のあるパーツしか見せないんじゃ。」

「要は脚だけしか呼べないんだな。」

「そうじゃな。」

「触手プレイが捗るでケロな。」

「そうじゃな。」

健さんは大きく頷いた後、「こらしめてやりなさい」と

しもべちゃんに指示を出した。


しもべちゃんの無慈悲なゲソ脚がホブゴブリンに襲い掛かる!

しもべちゃんは勢いを強めたり弱めたりしながら、ホブゴブリンを容赦なく責め立てていく。ホブゴブリンからあられもない声が出た。

「おっと、これはいけませんな。しもべちゃん。」

健さんの指示でホブゴブリンの口に余ったイカの脚がねじ込まれた。

ホブ(略の臭いも加わり、軽い地獄絵図だ。

「最悪だケロ。」

「ひどいな。」

「うわぁ…。」

誰だよ召喚魔法使ってくれって言ったの!

ここにいる全員が頼んでしまったことを後悔した。

「いいですぞしもべちゃん、もっとやるのですぞ!」

健さんがヤル気になってる。(いろんな意味で)

「ちょっと、健さん…!」


私は慌てて健さんを止めようとしたが

「そっとしておいてやろうぜ。」

「水を差すのはよくないケロ。」


目が既に死んでいる二人に肩ポンされて止められ、私は部屋を出たのだった。

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